靖国神社国営化阻止キリスト者グループ(浦瀬佑司委員長)は10月22日、抗議文を首相官邸に送った。抗議文は靖国神社が「今も、侵略戦争を正当化し、戦死を顕彰する施設として存在している」こと、首相や閣僚が靖国神社に参拝したり、供物を奉納したりすることは「靖国神社の歴史認識を肯定することであり、戦争責任を否定することである」と指摘。靖国神社秋季例大祭で、安倍晋三首相と加藤勝信大臣が真榊を奉納し、高市早苗大臣と衛藤晟一大臣が参拝したことを受けて、「憲法の原則を踏みにじる違反行為」だと非難した。全文は以下の通り。
靖国神社秋季例大祭に際し、首相及び閣僚が靖国神社に参拝或いは供物奉納をおこなったことに強く抗議します。
わたしたち「靖国神社国営化阻止キリスト者グループ」は、さきに安倍晋三内閣総理大臣に宛てて「靖国神社秋季例大祭に際し、首相・閣僚が靖国神社に参拝、供物奉納をしないことを求める要請文」を送りました。
この中において、靖国神社は、その設置目的と性格からいって、戦後、政府の施策の下で戦争の誤りを決して繰り返してはならないとの反省のもとに、日本国憲法に沿って根本的に変革・廃止されなければならなかったにもかかわらず、今も、侵略戦争を正当化し、戦死を顕彰する施設として存在していること、また、首相や閣僚が靖国神社に参拝したり、供物を奉納したりすることは、靖国神社の歴史認識を肯定することであり、戦争責任を否定することであることを指摘してきました。加えてその根底的な思想として天皇を神格化し、天皇への献身を命じた祭政一致の国家体制を目指すことに通ずる行為であると断言でき、これらの思想と行動は日本国憲法の国民主権、人権保障、平和主義の原則を踏みにじることであることを指摘したところです。
しかしながら、本年の靖国神社秋季例大祭にあたり、安倍晋三首相と加藤勝信大臣が真榊を奉納し、高市早苗大臣と衛藤晟一大臣が参拝したとのことです。
私たち日本国は、過去において政府の行為によって恐るべき人権侵害を行ったことについて謙虚にその責任を認め、二度と過ちを繰り返さないようにすることが政治の責任です。この度の首相・閣僚の靖国神社への供物奉納と参拝は、これまでに毎年指摘しているとおり、憲法の原則を踏みにじる違反行為であると言うべきです。
わたしたちはこのような違憲の行為を許すことはできません。この度の明らかに憲法に違反する行為に対し、強く抗議します。
2019年10月22日
靖国神社国営化阻止キリスト者グループ
委員長 浦瀬佑司