中東への自衛隊派遣に抗議 日本YWCAが声明 2020年1月21日

 日本YWCAの藤谷佐斗子会長と尾﨑裕美子総幹事は1月12日、「中東への自衛隊派遣に関する抗議声明」を発表した。安倍晋三首相、茂木敏充外相、河野太郎防衛相に宛てたもので、中東への自衛隊派遣の閣議決定の撤回と、即時撤退を求めると共に、武力による支配を進めようとしている現政権に対し、強い抗議の意思を表明した。

 声明の中で、防衛省設置法第4条に基づく調査・研究目的の派遣では自衛隊の武器使用が認められておらず、日本関係の船舶が攻撃されるなど不測の事態が起きた場合は、自衛隊法第82条の規定に基づき、海上警備行動を発令することにより対応するとされていることに言及。海上警備行動や武器等防護(自衛隊法第95条及び第95条の2)での武器使用が国または国に準ずる組織に対して行われた場合は、「武力の行使」にあたるおそれがあり、日本国憲法第9条に抵触すること、またそのような重大な決定を国会の審議を経ずに閣議決定で行ったことに危機感を表明し、「武力で平和をつくることはできません」と強調した。全文は以下の通り。


内閣総理大臣 安倍晋三様
外務大臣 茂木敏充様
防衛大臣 河野太郎様

中東への自衛隊派遣に関する抗議声明

公益財団法人 日本YWCA
会長 藤谷佐斗子
総幹事 尾﨑裕美子

 日本YWCAは、中東への自衛隊派遣の閣議決定の撤回と、即時撤退を求めるとともに、武力による支配を進めようとしている現政権に対し、強い抗議の意思を表明いたします。

 日本政府は2019年12月27日自衛隊の中東派遣を閣議決定し、2020年1月11日から派遣を開始しました。防衛省設置法に基づく「調査・研究」目的で海上自衛隊の護衛艦とP3C哨戒機が活動し、活動範囲はオマーン湾、アラビア海北部、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾の3海域でいずれも公海上だと報道されています。

 防衛省設置法第4条に基づく調査・研究目的の派遣では武器使用が認められません。このため、日本関係の船舶が攻撃されるなど不測の事態が起きた場合は、自衛隊法第82条の規定に基づき、海上警備行動を発令することにより対応するとしていますが、海上警備行動や武器等防護(自衛隊法第95条及び第95条の2)での武器使用が国又は国に準ずる組織に対して行われた場合は、「武力の行使」にあたるおそれがあり、その場合には日本国憲法第9条に抵触します。またそのような重大な決定を、国会の審議を経ず閣議決定で行ってしまうことに、強い危機感を覚えます。

 日本政府が米国の要請に応えて、自衛隊を派遣するのはこれで3度目です。2001年9月11日、米同時多発テロの発生後、小泉純一郎政権はテロ対策特別措置法を制定し、海上自衛隊艦艇をインド洋へ派遣しました。その後9年間にわたり、米艦艇などへ無償で燃料を洋上補給し、米軍によるアフガニスタン攻撃を支える結果となりました。次には2003年、米国が始めたイラク戦争で、小泉政権が世界に先駆けて米政府への支持を表明し、イラク特別措置法を制定し、陸上自衛隊600人をイラクへ派遣しました。そして今回です。これまでの派遣でも少なくとも50名以上の派遣者が自死し、多くの隊員がPTSDで苦しんでいます。

 私たちが望んでいるのは、武力による解決ではなく、外交や対話による解決です。武力は報復をよびます。しかし対話は和解につながります。武力で平和をつくることはできません。もともと中東諸国は日本に好意的な国々でした。しかし、この間の「親米」の方針により、敵国の1つに数えられることとなりました。今一度、信頼を取り戻すために、中東への自衛隊派遣を撤回し、対話による和解に努めてください。ここに強く要望いたします。

自衛隊の中東派遣に対しキリスト教界から反対声明 2020年1月11日

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