ジャン・バニエの性虐待に関する調査結果について「ラルシュかなの家」が声明 2020年2月26日

 昨年90歳で逝去した「ラルシュ共同体」の創設者ジャン・バニエが、フランスで女性6人を虐待していたとの調査結果が報じられたことを受けて、日本の社会福祉法人「ラルシュかなの家」は2月26日、理事長の小松大三氏、コミュニティーリーダーの佐藤言氏による連名で、書簡の本文を引用しながら以下のような声明を発表した。

 「ラルシュインターナショナル(国際ラルシュ)は、虐待の被害を受けた人が安心して発言できる環境づくりを進めています。ラルシュかなの家としては、ラルシュインターナショナルが示した方向性のように、透明性を持ち虐待防止に向けて取り組んでいくとともに、ラルシュの価値『一人ひとりが、かけがえのない存在である』ということを障がいのあるなかまとの相互関係のなかで模索していきたいと考えています」

 「国際ラルシュ」の現指導者ステファン・ポスナー、ステイシー・ケイトカーニー両氏は「ラルシュ共同体」連合に宛てた書簡で、「ジャン(・バニエ)は自分の本性の一部を隠し、そして彼の沈黙は、いかなる理由があるにせよ、受け入れがたい行為を続けることを許してしまい、私たちの創立の歴史に関してゆがんだ見方をもたらし」たとしながらも、「障がいを持つ人に対して同様の行為を行ったという証拠はない」と強調した。

 バニエが「霊的な父」と呼び、ラルシュの創設を勧めたトマ・フィリップ神父は2015年、没後22年を経て成年の女性(障がいを持っていない女性)に対し虐待を行っていたことが明らかになっている。バニエはこの虐待について知らなかったと明言し、1950年代にトマ神父と親密な関係にあった事実も明かすことはなかった。当時、バニエはトマ神父に信頼を寄せていただけでなく、トマ神父の始めた女性たちとの性的な実践(女性らの同意に基づく)を何度か共有していたという。トマ神父は1956年、教会により有罪判決を受け、バニエも参加する小グループとの接触を禁止されたにもかかわらず、数人の女性は1964年のラルシュ創設まで関係を続けていた。

 「私たちの多くにとって、ジャン(・バニエ)は最も愛し、尊敬する人々の中の一人でした。ジャンは、ラルシュの中でも外でも、世界中の多くの人に啓示や癒しを与えてきました。私たちは、とりわけ『信仰と光』のメンバーのことを思い、この知らせが引き起こす混乱と痛みについて思います。彼が生きている間に行った少なからぬ良いことに疑いはないとしても、私たちが抱いていたジャンのイメージとラルシュの起源に対する認識は葬り去らねばなりません。ジャン・バニエがこのような関係についてどのように理解あるいは信じていたとしても、あるいは、証言を提供してくれた女性たちと異なった認識を持っていたとしても、何人かの女性はこの出来事に深く傷つき、長期にわたる負の影響を経験していることを調査は立証しています」

 「これらの出来事はラルシュの文脈の中で起きたことであり、そのうちのいくつかは私たちの創始者が起こしたことであり、被害に遭われたすべての皆さんへ、私たちは許しを請います。もし、証言した方の言葉が私たちの歴史の問題を抱えた部分に光を当てるのなら、彼女らの努力はラルシュに旅路を続けるチャンスを与え、私たちが歴史をより意識するようになり、そして、究極的には、現在の私たちの困難により良く立ち向かえるようになるチャンスを与えることになるでしょう。それもまた彼女らの意図だと、私たちは理解し、感謝しています」(「ラルシュ共同体」連合に宛てた書簡より)

「ラルシュ」創設者ジャン・バニエが女性を性的に虐待 2020年2月24日

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