カトリック教会 札幌・東京で「ミサ中止」 日基教団も「注意喚起」 2020年2月26日

 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、2月25日には、カトリック教会の中でも特に感染者の多い札幌、東京の各司教区が2月27日から3月14日まで、公開のミサを原則中止とする決定を下した。特に3月1日、8日の主日のミサに関しては、「信徒として与る義務を免除」するとし、各自聖書を朗読し、祈りをささげること、インターネットで中継するミサに与り「霊的聖体拝領」をすることなどを推奨している。現段階では「今後1~2週間が瀬戸際」との見解に従う緊急避難措置としており、15日以降は通常に復帰する予定だという。

 札幌司教区教区長の勝谷太治氏は「司祭、修道者、信徒の皆さまへ」と題する通達の中で、ミサの中止決定は「教区始まって以来のこと」であり、「信仰者にとって苦渋の選択」だとし、「それ故に事態の深刻さを認識し、この危機を乗り越えるための皆さんの理解と協力をお願いいたします。そして感染した方々の回復と感染の終息のためわたしたちの母である聖母マリアの取り次ぎのもと、父である神に祈りましょう」と呼び掛けた。

 東京大司教区大司教の菊地功氏は、「わたしたちは祈りの力を信じています。病気が蔓延したからといって祈りを止めることはありません。感染に対応する様々な手段を講じる中に霊的な戦いをも含めていなければ、この世界に数会として存在する意味がありません」と強調。「この危機に直面している時代には、通常以上に様々な祈りを捧げなければなりません。ミサの中止は敗北ではなく、祈りの持つ力を改めて認識し、祈りによって霊的に深めるための機会でもあること、また祈りの力を改めて認識する機会でもあることを心にとめたいと思います」と記した。

 日本基督教団(石橋秀雄総会議長)も同じ25日、全国の教会、関連施設に向けて同様の「注意喚起」を発表。「礼拝を取りやめることは出来ませんが」としつつ、留意点として以下の7点を挙げている。

1.信徒教職にかぎらず、……体調不良の場合は、無理をせず、礼拝の出席はお控えください。……礼拝出席を自粛される場合は、礼拝時間に合わせて、祈りをもってお過ごしください。

2.礼拝所の入り口に、入手可能であれば、手指消毒用のアルコールを設置されることをお勧めいたします。

3.礼拝その他教会での集会では、マスクの着用をお勧めします。

4.平和の挨拶などをなさる場合は、握手はお控えください。

5.聖餐式では、準備される方も、陪餐の方も、手洗いと(可能ならば手の消毒)を徹底してください。

6.教会の諸集会での食事会(愛餐会)や食事の提供は、可能な限りお控えください。

7.教区や支区・分区・地区、センターなどの教団関連施設での集会や委員会活動においても、開催の是非も含めて、十分な検討と配慮とをお願いいたします。

 Twitterでは「#教会のウイルス対策」として、配布物、掲示物、注意喚起の方法など、各教会の具体的な対策について情報をシェアしている。

教会が新型コロナウイルス対策 国内でも「注意喚起」相次ぐ 2020年2月21日

横浜港大黒ふ頭に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号(撮影=山名敏郎)

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