明治学院大学キリスト教研究所 「香港人」研究者が教会のデモ支援語る 2020年3月11日

 明治学院大学キリスト教研究所(徐正敏所長)は2月17日、香港人研究者による講演会「香港社会とキリスト教会」(同研究所アジアキリスト教史研究プロジェクト主催)を同大白金校舎(東京都目黒区)で開催した。学内外から約20人が集まった。講師は、香港で生まれ育った台湾メソジスト神学研究院特約研究員の陳継賢氏=写真。もう一人、講演を予定していた建道神学院教授の陳智衡氏は新型コロナウイルスの影響で来日できなかった。

 陳継賢氏は現在、上海大学の博士課程でメソジスト教会史を研究し、同時に香港でキリスト教出版の編集にも携わる。逃亡犯条例改正反対運動に端を発する香港市民の抗議運動を見据え、国内メディアだけでは知ることができない香港の現状と、香港教会が果たした役割について語った。

 逃亡犯条例改正反対運動が掲げる政府への要求は、独立した調査委員会の設置、普通選挙の実施、逃亡犯条例の全面撤回、暴動という定義の撤回、デモに参加し逮捕された人の釈放の五つ。陳氏は、「過激的な行動に出た人たちの背景には、中国政府や香港政府から受けてきたさまざまな辛い体験があり、その心情や気持ちは理解できる」と語り、社会運動や抗議活動に関わる教会の働きについて紹介。雨傘運動では休憩所として会堂を開放し、その後も社会問題に関する講座などを開いているメソジスト連合教会香港堂は、中国政府からはデモ隊を保護している場所として警戒され、中国の共産主義青年団からは「香港堂は教会の役割を果たしていない」と非難を受けたという。しかし実際は政治的な目的があるわけではなく、冬にはホームレスの人が寒さをしのげるよう、また鳥インフルエンザが蔓延した時には警戒中の警察官が休憩できるよう、社会奉仕の目的で開放したと陳氏。

 「逃亡犯条例反対運動をはじめ高速鉄道反対運動でも声明を出しているが、教会は突発的に意見を述べるのでなく、持続的に社会事件に注目し、声を上げている。また教会では毎年、これまでの運動の被害者ための祈祷会を開いている」とも語った。(本紙・クリスチャンプレス共同取材)

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