ベラルーシ、反LGBTで5万人以上の署名 2020年3月12日

 ベラルーシで「性と国家」、「身体と宗教」の関係問題が物議をかもしている。ベラルーシ正教会と同国カトリック教会の後援するオープンハーツ・チャリティ基金が、ルカシェンコ大統領に対し、「反LGBT」を掲げる5万超の署名・請願を提出した。署名運動は2019年秋より開始。ベラルーシの伝統的価値観と距離のある「同性婚」などから子どもを守るため、と署名運動は主張。現地メディアの他、インターフラックス、オーソドックス・クリスチャニティなど各紙が報じている。

 正教会アンドレイ・レメショノック大主教は「教会の仕事は、人々が迷子にならず、未来のない行き止まりへ行くのを防ぐことです」と語った。またカトリック教会タデウシュ・コンドルシエヴィッチ大司教は、聖書に言及し「キリスト教的価値」の保護を訴えた。両者とも「教会は神の律法を守り、キリスト教的価値観を表明したに過ぎない」と表明している。 コンドルシエヴィッチ大司教は、その上でLGBT当事者を「兄弟姉妹」と呼びかけ、「誰かが迫害されるべきだという意味では決してない、しかし、罪の問題には賛同できない」と語った。

 これら、伝統的・保守的な教会の表明に対し、当事者は「隔ての壁を終わらせよう」と呼びかけて応答した。特に当事者であり、同時に教会員でもある人々からは、政府に対し「市民の平等な保護、差別禁止」を訴えた。また「教区民にはLGBTが存在しない」という前提が誤っていると批判した。「私たちはベラルーシ人です。納税し、学び、働いています。この国の娘であり息子であり、同僚であり隣人なのです」とユーロレディオなどが応答声明を掲載。

 ベラルーシの首都ミンスクでは、1999年9月よりLGBTへの社会的理解を求める「ミンスク・プライド」が開催。2010年には「反抗的態度」を理由に警官がデモ参加者を殴打する事件が発生。また2019年8月には、LGBTへの差別と偏見に関するドキュメンタリー映画を制作していたニコライ・クプリッヒ監督が襲撃され、ヘイト・クライムとして認定された。

Photo: depositphotos.com

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