米聖書博物館所蔵の「死海文書」はすべて偽物と判明 2020年3月20日

 紀元前3世紀ごろに作られたヘブライ語の聖書の写本『死海文書』<しかいもんじょ>のうち、米国の首都ワシントンにある「聖書博物館」で展示されていた16断片すべてが偽物と判明した。『死海文書』の大部分がイスラエル政府の管理下にあるが、その断片が市場に流通、収集家などの興味の対象となっている。21世紀に入って断片が古書・古美術品市場に流通するようになり、その真正性に疑義が出され、『聖書博物館』に収蔵されていた断片も、偽造の可能性が指摘されていた。

 調査を行ったのは美術品の真偽確認調査を行う「AFI」の創設者でもあるコレット・ロール氏たち。数々の科学的実験を経て作成された最終レポートにより、博物館収蔵の16点の『死海文書』断片すべてが偽物であることが報告された。レポートによれば、断片はいずれも現代になってから作られたものだったとのこと。オリジナルの『死海文書』のような羊皮紙の光沢や、洞窟で見つかったことを想定しての鉱物で汚したりするなど、明らかに欺く意図が感じられるものだった。

 「聖書博物館」のジェフリー・クロハ館長は、「コレクションの真正性を検証するために用いられた手法は、他の疑わしい断片に光を当てるもので、さらに偽造を誰が行ったのか明らかにするために効果的」と、今回の調査が聖書考古学の分野に利益をもたらすものであったと主張している。(CJC)

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