奥田知志氏「抱樸」が1億円目標にクラウドファンディング 「家からでもできる支援がある」 2020年5月11日

 1988年から福岡県北九州市を拠点に、主に生活困窮者への支援を行ってきた認定NPO法人「抱樸」(奥田知志理事長)が4月28日、新型コロナウイルスによる影響で経済的に困窮する人々、今助けを必要としている人々への緊急支援に加え、継続的かつ効果的に支援するための仕組みづくりのために、1億円を目標とするクラウドファンディングを立ち上げた。

 「抱樸」は数人のボランティアでおにぎりを持って路上生活者を訪ねる活動から始まり、30年以上にわたり炊き出しや夜回りを続ける中で、3400人超の人々をホームレス状態から自立させてきた。現在では路上生活者への支援に留まらず、困窮し傷ついた人々、その家族が再び立ち上がるために必要な包括的な支援を構築している。

 日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師でもある奥田氏は、かつてのアジア経済危機やリーマンショックで自殺者やホームレスの急増を許してしまった教訓も踏まえ、「『Stay Home』と盛んに言われているが、家にいられない、そもそも家がない、いたくても働かざるを得ない人もいる。家からでもできる支援がある。遠く離れていても心寄りそえる社会でありたい」と呼び掛けた。

 同日開かれたオンラインでの会見=写真上=には奥田氏のほか、寄付金が2倍(上限3000万円まで)になる「マッチングギフト方式」での資金提供でサポートする村上財団の村上世彰(よしあき)氏が出席。プロジェクトに賛同する音楽家のマヒトゥ・ザ・ピーポー氏、脳科学者の茂木健一郎氏、小説家の平野啓一郎氏、建築家の手塚貴晴氏、作家の田口ランディ氏、批評家・随筆家の若松英輔氏からのコメントも紹介された。

 奥田氏は、この先「たとえ『医療崩壊』を免れても、『相談崩壊』が起こるのではないか」と危惧した上で、現金給付と共に相談がセットでなければ、経済的な困窮(ハウスレス)は解決できても社会的な孤立(ホームレス)の問題は解決できないと指摘。政府による公的支援を最大限活用しつつ、制度の弱点を補い官民協働で取り組むと共に、単にコロナ禍を乗り越えるだけでなく、継続的かつ効果的に対応できる支援の仕組みづくりによって新しい地域社会のモデルを創造する必要性を訴えた。

 具体的には、必要とされる食糧、生活物資を確保する緊急支援のほか、全国に840万戸あるとされる空き家を支援団体が借り上げ、安心して住める「支援付き住宅」の提供を構想。当面、北海道、東北、関東、中部、関西、九州などの大都市で100戸程度の住宅確保を目指すとしている。

 クラウドファンディング「レディーフォー」の当該サイト(https://readyfor.jp/projects/covid19-houboku)には、開始1週間ですでに約1千人から1千万円を超える寄付が寄せられている。期限は7月27日まで。1千円から1千万円まで13種類が設定されており、10万円以上の寄付者には奥田氏とのオンライン会議の案内も送られる。問い合わせは「抱樸」(℡093-653-0779)まで。

 また、7日(木)午後2時からは田口ランディ氏の呼びかけで、奥田氏によるZoomでの無料講演会が予定されている。詳しくは同氏のブログまで(https://runday.exblog.jp/31128221/?fbclid=IwAR1W7VNumN46Eo-nl5Cg_fBt3Fg3WcSWRruKkiIO110o89qCcC4_KYsvWQY)。

 

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