「宗教2世ホットライン」開設 〝生きづらさ抱える2世の居場所に〟 2020年5月12日

 「自ら信仰を獲得したわけではないが、親がある教団の信者であり、出生時あるいは幼少期から教団の影響を受けて成長した人」いわゆる「宗教2世」が、脱会に向けた具体的アドバイスや情報提供、経験談の共有などを行えるwebサイト「宗教2世ホットライン」(https://www.niseihotline.com/)が5月5日、開設された。

 教団内で経験するさまざまな抑圧や「スピリチュアル・アビュース」(霊的虐待)、その延長線上で経験する脱会前後の困難などの問題に特化し、2世らが執筆した経験談、後輩2世たちへのアドバイス記事・応援メッセージなどが集まっている。

 近年では、漫画や手記を通して壮絶な葛藤と苦悩の経験を告発する「宗教2世」の存在や、SNSの普及により匿名性を担保しつつ「宗教2世」同士が交流できるようになったことで、「宗教2世」問題への社会的関心は少しずつ広がりつつあるものの、俯瞰的・体系的な研究はほとんどなされておらず、「具体的な支援のあり方も構築されていないのが現状」だという。

 同サイトの運営スタッフは、「カルト被害者の会、1世向けの脱会支援団体などがあった一方で、2世に特化したウェブサイトはこれまで存在しませんでした。すでに50記事ほど集まっており、2世の皆さんが自分の言葉で自分の想いを綴っています。ハッシュタグ機能を使用して教団別・悩み別に記事が検索できるようにもなっています。当サイトが、生きづらさを抱える宗教2世の新たな居場所となることを期待しています」とコメントを寄せた。

 今後は、「カウンセラー・社会福祉士など虐待の現場に携わる人々への周知、当事者の心のケアと自立支援の充実」を喫緊の課題とし、関係者の協力を得ながら運営体制を整えていくとしている。

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