トランプ大統領が州知事に教会の活動再開求める 2020年5月29日

 ドナルド・トランプ米大統領は5月22日、新型コロナウイルスの感染拡大で制限されていた経済活動が段階的に再開する中、教会などの宗教施設を必要不可欠な施設として認め、直ちに活動ができるよう州知事に求めた。

 米国の地方によってはキリスト教会など宗教施設が社会文化活動の拠点となっている地域も多く、再開を望む声も根強い。全米50州の約半数で「ソーシャルディスタンス」(社会的距離)の確保など対策を取ったうえでの一部再開が進んでおり、指針の見直し方針の背景には、秋の大統領選挙を控え、2016年の大統領選当選の原動力となったキリスト教福音派への配慮があるとみられる。

 大統領は22日の記者会見で「酒店や人工妊娠中絶クリニックを必要不可欠な施設と認定する一方で、教会や礼拝所を除外している知事らがいるが、これは間違っている」と指摘。「これらは我々の社会を一つにつなぐ存在。米国はより多くの祈りを必要としている」と訴え、キリスト教やユダヤ教、イスラム教などの宗教施設の再開許可を促した。閉鎖が続く地域については「私がその決定を覆す」と宣言した。

 だが具体的な手段は明らかにしていない。司法省はこれまで、集会を開いた教会に罰則を科した州に対し「信教の自由の尊重」などを求める書簡を送付するなどしてきたが、再開を拒否した地方の判断をトランプ氏がどのような権限で「覆す」ことができるのかは明らかにされていない。

 米国では宗教施設や関連イベントで集団感染が発生した事例があり、再開は感染拡大の第2波につながる可能性も指摘されている。

Shealah Craighead - White House, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=63768460による

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