横浜中華街に「日本キリスト教団」名乗るヘイト文書投函 教団が抗議の声明 2020年5月31日

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く3月上旬、横浜中華街(横浜市中区)の複数の店舗に、中国への差別感情をむき出しにした誹謗中傷の手紙が届いた。A4判の紙に赤字で「コロナ・ウイルスをまき散らしやがって!」「早く日本から出ていけ!」などと口汚く罵(ののし)る文言が記されており、イエス・キリストが挑発しているような画像や、「日本キリスト教団」と印字したものもあった=写真・一部加工済

 林文子横浜市長は記者会見で、手紙はヘイトスピーチに当たるとし、「重大な人権侵害で許せない」と非難した。

 同様の手紙は、中華街内に位置する横浜華僑基督教会(横浜市中区)の信徒が営む店舗にも送られた。事態を重く見た日本基督教団総幹事の秋山徹氏は、同教会宛に執り成しの手紙を送付。「このような偏狭な言葉が日本の社会の中で飛び交うこと自体、まことに恥ずべきこと」と詫び、コロナ禍において「厳しい生活に追い込まれているだけでなく、とりわけ厳しい視線と言葉とにさらされている方々が近くにおられ ることと思います。この暗黒と試みの中でこそ、主のものとされた民が力を合わせて共に歩みたいと願っています」と連帯の意思を表明した。

 日本基督教団(石橋秀雄総会議長)はこれを受けて5月29日、「『外国人ヘイト』による人権侵害に抗議する声明」を発表。今後、必要な対応措置を取ることを言明した上で、「このような醜悪な文書に『日本キリスト教団』の名が利用されたことに深い憤りを覚えます」「緊張と不安に満ちた今日の状況の中でこそ、社会の中で弱い立場に置かれた人々が守られ、支えられなければなりません」と強調した。全文は以下の通り。


「外国人ヘイト」による人権侵害に抗議する声明

 新型コロナウイルスの感染リスクに社会が脅かされる中で、外国人に対するヘイトスピーチなどの人権侵害がもたらされています。

 先日、外国人とかかわりのある特定の事業所に対し、「日本キリスト教団」の名を不当に用いて「早く日本から出ていけ!」などと記した文書が送られたことが判明しました。理不尽な憎悪をあらわにした文書によってどれほど深い痛みと傷がもたらされたかを思うと心が痛みます。被害に遭われた方々に慰めと癒しを切に祈ります。

 このような醜悪な文書に「日本キリスト教団」の名が利用されたことに深い憤りを覚えます。今後、必要な対応措置を行っていくと共に、もし他にも日本基督教団にかかわる類似の事例があればお知らせいただけますよう呼びかけるものです。

 日本基督教団は、すべての人の命を贖うキリストへの信仰に基づき、「すべての人と平和に暮らしなさい」(ローマの信徒への手紙12章18節)との御言葉に従って、差別のない社会が実現することを願い祈り、そのための愛による働きにあずかることを志しています。緊張と不安に満ちた今日の状況の中でこそ、社会の中で弱い立場に置かれた人々が守られ、支えられなければなりません。社会の動揺に乗じたいっさいの差別に反対し、この社会に生きるすべての人々の人権が守られるべきことを改めて表明します。

2020年5月29日

日本基督教団
総会議長 石橋秀雄
総幹事  秋山 徹

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