NCC靖国神社問題委員会 持続化給付金の宗教法人への適用に反対の意向「政教分離原則を重視」 2020年6月20日

 日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会(星出卓也委員長)は6月12日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、日本宗教連盟(岡田光央理事長)の事務局から、「持続化給付金の対象に宗教法人を追加するための働きかけがあった」と報じられたことについて、「公金支出が宗教法人に拡大され、宗教団体が行う宗教活動のため援助が行われることは、日本国憲法第20条3項の『政教分離原則』、および同89条の『公の財産の宗教団体への支出の禁止の原則』を事実上緩め、さらに無力化に繋がる」「政府や地方自治体による宗教団体の宗教活動への公金支出は、宗教団体の国に対する自主独立を阻害することにも繋がる」との危惧を表明した。その上で同委員会は、「全ての宗教団体、諸教派、諸教会が、国から宗教活動への援助を受けることは、自らの教義の自主性を守るためにも、慎重であるべき」と主張した。全文は下記の通り。

 また、政教分離の侵害を監視する全国会議(木村庸五、古賀正義代表幹事)は同日、日本宗教連盟に対しても同給付金の宗教法人への適用に反対する意見表明を送付。「日本は明治から敗戦にわたって国家神道体制を推進し、国家神道が、軍国主義の精神的基盤となったばかりではなく、国民が、国が推進する理念や考えを信じない自由、これに従わない自由が阻害され、各宗教団体においても独自の教義や理念の自立性を失わせるに至らしめました。政教分離原則はこの歴史の教訓から定められたもので、宗教団体が、国から宗教活動への援助を受けることは、諸宗教団体の教義の自主性を守るためにも、慎重であるべきと思っております」との意向を伝えた。

 さらに、同趣旨の声明を安倍晋三首相宛にも送付。「持続化給付金は、宗教団体が行う世俗的事業だけではなく、むしろ宗教活動自体を維持継続させるための公金支出となり得るもので、政教分離原則違反の疑いを到底拭うことが出来ません」と強調した。


持続化給付金の宗教法人への適用に関しての私たちの考え~政教分離原則が守られるように~

 2020年5月13日、テレビ東京は「新型コロナウイルスで減収となった中小企業に対し200万円を支給する持続化給付金について、政府は、新たに中小の宗教法人を対象に追加する方向で最終調整に入った」と報道しました。また5月21日の仏教タイムスは、その背景として日本宗教連盟の事務局側から、コロナウイルス感染防止のため葬儀等の自粛が長期化する中で経営が圧迫されている宗教団体の現状を元に、関係省庁や各政党に働きかけがあったと報道しました。

 私たち、日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会は、これら持続化給付金等の公金支出が宗教法人に拡大され、宗教団体が行う宗教活動のため援助が行われることは、日本国憲法第20条3項の「政教分離原則」、および同89条の「公の財産の宗教団体への支出の禁止の原則」を事実上緩め、さらに無力化に繋がるのを危惧します。

 政府や地方自治体による宗教団体の宗教活動への公金支出は、宗教団体の国に対する自主独立を阻害することにも繋がるからです。「明治」から敗戦にわたって、国家神道体制が国によって推進されたことにより、国が推進する理念や考えに対して信じない自由、従わない自由が阻害され、各宗教団体においても独自の教義や理念の自立性が損なわれることとなりました。「政教分離原則」はこの歴史の教訓から定められたもので、全ての宗教団体、諸教派、諸教会が、国から宗教活動への援助を受けることは、自らの教義の自主性を守るためにも、慎重であるべきものと考えています。

 私たちは、「政教分離原則」を厳格に守る立場から、持続化給付金の宗教法人の適用は慎重になるべきであり、よく吟味する必要があると考えます。

 私たちは宗教者として、これまで様々な未曾有の出来事に、それぞれの自主性と自由で具体的な信仰的な方策によって乗り越えてきました。そしてこれからも乗り越えていくものでありたいと願います。そして今後とも、「政教分離原則」を厳格に守り、また守られていくことを希求します。

2020年6月12日
日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会
委員長 星出卓也

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