人種差別抗議デモが米大統領選に影響必至 トランプ支持基盤に動揺も  2020年6月23日

 全米に広がった人種差別抗議デモが、11月の大統領選に大きな影響を及ぼす可能性が出てきた。デモに伴う暴動鎮圧に軍動員も辞さない姿勢で「強さ」をアピールするドナルド・トランプ大統領に対して、政権の元高官や宗教界から批判が相次いだことから、与党共和党の一部にも動揺が見られる事態を、内外のメディアも注視している。日本の時事通信報道によって紹介する。

 「私の生涯において、ドナルド・トランプは国民を団結させようとせず、団結させるそぶりすら見せない初の大統領だ」と批判するジェームズ・マティス前国防長官。昨年末まで大統領首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏は、トランプ氏が後任に「イエスマン」を任命すれば弾劾されることになると警告していたことを明らかにした。ブッシュ(子)共和党政権で国務長官を務めたコリン・パウエル元統合参謀本部議長は、大統領選で民主党のバイデン前副大統領を支持すると公言している。

 各種世論調査によると、共和党支持者からのトランプ氏支持率は依然、概ね80%超の高水準。しかし大統領選と同時に行われる議会選を控えた与党議員には、大統領に公然と反旗を翻すまでには至らないものの、党内に支持表明をためらう動きも見える。

 トランプ氏は6月1日、ホワイトハウス前広場のデモ隊を強制排除した後、政権幹部らを引き連れて広場近くの教会を訪れ、聖書を手に記念撮影した。これには「宗教は政治の道具ではない」と宗教関係者からの批判が相次いだ。治安回復のアピールを狙ったパフォーマンスが、支持基盤であるキリスト教保守勢力の不興を買う可能性もある。

 抗議デモに対する高圧的姿勢に、黒人層は反発を一層強めている。米プロバスケットボール協会(NBA)の元人気選手で黒人のビル・ラッセル氏が、ツイッターで「トランプはデモ隊への銃撃を示唆し、写真撮影のため軍を動員させている」と非難した。民主党支持者が多い黒人層の投票率が上がれば、トランプ氏の苦戦は必至となろう。(CJC)

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