九州南部豪雨 警戒続く 熊本、岡山、広島から「全国」へ 被災支援での教訓とつながりを 2020年7月11日

 7月3日未明から続く豪雨により熊本県南部の球磨川が氾濫し、鹿児島県も含め浸水、洪水、土砂崩れなどの被害が拡大。7日現在も九州全域で局地的な大雨への警戒が続いており、7県で計約63万世帯、約140万人に避難指示が出ているが、避難所での新型コロナウイルスへの感染も危惧されている。

 この間、キリスト教界では2016年の熊本地震や2018年の西日本豪雨を経て結成された岡山キリスト災害支援室(岡キ災、草井琢弘室長)、九州キリスト災害支援センター(九キ災、横田法路理事長)、キリスト教会・広島災害対策室(北野献慈室長)、四国キリスト災害支援会(万代栄嗣会長)を中心に、キリスト教関連の災害支援団体が、全国の団体、教派とも連携したネットワークを作ろうと「キリスト全国災害ネット」(略称・全キ災)を結成(https://zenkisai.net/)。6月30日には、オンラインによる第1回の会合を終えたばかりだった。

 全キ災は2019年11月、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で関係者ら約40人が集まり、「大規模災害に備えて迅速で適切に協力できるための仕組みを作っておく」「大規模災害が起こった時に情報を迅速に分かち合う」「災害支援について日頃から互いの経験と取り組みを分かち合う」の三つを目的に結成された。

 30日の会合では、全国の災害支援団体や教団教派の災害支援部門担当者など39団体から57人が参加。世話人代表に北野氏、世話人副代表に横田氏、佐々木真輝氏(3.11いわて教会ネットワーク事務局)が選ばれた。

 今回の豪雨被害を受けて、さっそく九キ災を中心とする支援体制について協議が行われ、岡キ災がスタッフ1名を熊本県に派遣。協働して支援活動を開始するなどの連携が始まっている。

全国の各団体が支援呼びかけ
〝隣人愛に基づいて扶助し合うコミュニティを〟

 九キ災では最新の情報をフェイスブックページ(https://www.facebook.com/kumamotoshien/)で更新中。熊本ベース(熊本県益城町)を「九州南部豪雨災害対応拠点」とし、安全を確認しながら、視察、情報収集や資材の移動を行い、防災倉庫を設置した教会と連携して、支援物資の被災地への搬入を行う予定。また、安全が確認され次第、すでに浸水被害が出ている教会や周辺地域への支援活動を行う。現段階では一般のボランティアの受付は行わないという。

 すでに避難所となっている人吉第二中学校へ支援物資を届け、バイブル・プロテスタント人吉教会(熊本県人吉市)を訪問し、支援物資を届け、地域の片付けの手伝いにも参加した。

 問い合わせは、九キ災本部(Tel 092-873-6235、Eメール=kyusyuchristdrc[アットマーク]gmail.com)まで。支援金は、ゆうちょ銀行01720-5-169579、三菱UFJ銀行・福岡支店(普)2613361「NPO法人 九州キリスト災害支援センター」まで。クレジットカードによる寄付も可能(https://congrant.com/project/kyuki/1628)。

■神戸国際支縁機構
 これまで東日本大震災や台風などの被災地を支援してきた神戸国際支縁機構理事長の岩村義雄氏(神戸国際キリスト教会牧師)は、2人のボランティアと共に被害の大きかった芦北町と人吉市を訪問。「これからの時代のボランティアは、1番目に『受縁力』、2番目に民間ボランティアセンター、3番目に災害救助法の説明・手続きを本来の『公共』である市民が担うようにしたらどうか。三つのことを人任せにするのではなく、自立した市民それぞれが、隣人愛に基づいて扶助し合うコミュニティをつくる転換点」と指摘している(https://bit.ly/2ADnzuQ)。

 支援やボランティアに関する問い合わせは岩村氏(Tel 070-5045-7127)まで。

葦北郡芦北町役場町長室を訪問した岩村氏(7月4日)

■ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)
 ハンガーゼロ(清家弘久理事長)は7月6日、被災者への緊急支援として、パン・アキモト(関西営業所)から提供される「パンの缶詰」(約1万1500食分)を4トントラックに積み込み、熊本に向けて輸送。パンの缶詰は、九州キリスト災害支援センター(九キ災)の熊本ベース(益城町木山)に配送し、九キ災を通じて被災地の避難所や被災者に個別配布される予定。

 なお、現地のコロナ感染対策に配慮してハンガーゼロの緊急援助班からの人材派遣は当面は控え、九キ災の緊急支援活動をサポートして被災者支援を行っていくという。

 ハンガーゼロは熊本地震(2016年)や九州北部豪雨災害(2017年)の緊急支援活動において、九キ災と協力して被災者への緊急・復興支援を行ってきた。

■日本福音ルーテル教会九州教区
 水俣教会(熊本県水俣市)とさわらびこども園を窓口に、家庭の泥かきなどに必要かつ、現地では手に入りにくい物を届けるため、以下の物資を全国に募っている。
 古タオル(雑巾用)、ゴミ袋(45L、70L)、厚手の作業用ゴム手袋、角スコップ、長靴(新品)、飲料水・お茶(ペットボトル500ミリリットル または 2リットル)、水切りワイパー、ブルーシート、ヘッドライト、レインスーツ(新品)、紙おむつ、生理用品。
 期限は7月22日まで。送付先は、日本福音ルーテル水俣教会(〒867-0011 熊本県水俣市陣内2-2-2、Tel 0966-84-9372)。詳しくは特設サイト「ルーテル九州教区・支援情報」(https://jelc-q.blogspot.com/2020/07/blog-post_6.html)を参照。問い合わせは健軍教会(Eメール=kengunchurch[アットマーク]gmail.com)まで。

■日本YWCA
 熊本YWCAは、可能な範囲で早急に支援活動を開始することを決定。支援物資や寄付の提供を日本YWCAから全国に呼びかけている。

 物資提供に関しては、第一次期限を7月15日とし、必要に応じて改めて必要な支援を要請する。以下、詳細。

送付の際に、箱の外側もしくは、箱の中の物品の上に支援物資の内容を記入した紙を入れてください。必要に応じて熊本YWCAで仕分けします。
1.衣類やタオル
衣類(新品または洗濯済に限る)やタオル(新品に限る)、夏用下着類(新品に限る)、雑巾(タオルと確実に分けて袋等の上に「雑巾」とご明記下さい。被災カ所の汚れの拭き取り作業で必要です)
2.食糧品
飲料水、缶詰や出来るだけ調理過程が省ける食糧品、お菓子類、ハラルフードだとわかる表記がされている缶詰やお菓子類も大歓迎です。ハラルフードはイスラム教以外の人でも食べることができます。一方、非ハラルフードはイスラム教徒の方は食べられません。どなたでも食べられるハラルフードもしくはベジタリアン対応食品は、大歓迎です。同じく、基本的なアレルギー対象品目を省いた食糧品もご検討よろしくお願いします。
3.衛生用品
生理用品、ウェットティッシュ、身体を拭くシート、歯ブラシ、歯磨き粉、ティッシュ等
4.作業に必要なもの
軍手、ゴム手袋、長靴(子ども用から大人用までサイズ色々あると助かります)
5.熱中症対策に関するもの
飴、飲料水、水等に溶ける熱中症対策用の粉末など
6.コロナ対策に必要なもの
除菌ウエットテッシュ、出来れば非接触体温計(使い回しができないから)、大人用子ども用マスク、小分けになった手指用除菌液・ジェル、小分けになった次亜塩素酸水(被災後のカビ発生防止のための拭き取り作業にも使います)、ふきん(テーブルや食器の除菌のため)

 物資の送付は熊本YWCA(〒860-0862 熊本市中央区黒髪2丁目27-21、Tel/FAX 096-346-3419、Eメール=kumamoto.ywca[アットマーク]gmail.com)まで。募金(第一次期限7月31日)は、通信欄に「熊本豪雨災害支援」と明記の上、郵便振替 00170-7-23723、三井住友銀行飯田橋支店(普)1198743「公益財団法人日本YWCA」まで(銀行振り込みの場合は、必ずメールにてoffice-japan@ywca.or.jpまで、①振込日、②金額、③名前、④住所、「熊本豪雨災害支援」と要連絡)。

 なお、熊本豪雨災害被災者支援活動については、日本YWCAのウェブサイト(http://www.ywca.or.jp/news/2020/0706news.html)およびフェイスブックに随時掲載している。

写真=神戸国際支縁機構

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