学術会議への人事介入めぐり 明治学院大学キリスト教研究所・国際平和研究所有志が声明 2020年10月4日

 明治学院大学キリスト教研究所・国際平和研究所有志は10月3日、菅義偉首相が日本学術会議の推薦した新会員候補者105人のうち6人への任命を拒否したことを受けて、憲法23条を引き合いに、「学術研究はあらゆる拘束から自由であることが憲法上保障されており、科学的・研究倫理的な検証以外の手法に則った研究成果の妥当性判断は、この『学問の自由』を侵害する行為にほかなりません」と非難する声明を発表した。

 同会議が推薦する会員の任命が拒否されたのは、推薦方式が導入された2004年度以来初。拒否された6人には京都大学の芦名定道教授(キリスト教学)も含まれており、他の5人がいずれも安全保障法制や「共謀罪」法に反対を表明した学者であることから、同氏が「安全保障関連法に反対する学者の会」、安保法制に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者として名を連ねたことが理由ではないかとされている。

 全文は以下の通り。


菅義偉首相の日本学術会議会員任命拒否に反対する明治学院大学キリスト教研究所・国際平和研究所有志の声明

 2020年10月1日、菅義偉首相が日本学術会議から推薦された新会員候補者105名のうち6名への任命を拒否した、との報道がなされました。任命拒否の具体的理由は、本日3日午後の時点でもあきらかにされておらず、現状では6名の学者の研究領域ないし研究成果が、学術会議会員として不適格なものである、との見解を内閣総理大臣が示したことになります。

 しかしながら、日本国憲法第23条に「学問の自由は、これを保障する」とあるように、学術研究はあらゆる拘束から自由であることが憲法上保障されており、科学的・研究倫理的な検証以外の手法に則った研究成果の妥当性判断は、この「学問の自由」を侵害する行為にほかなりません。

 明治学院大学キリスト教研究所・国際平和研究所有志は、「学問の自由」を守るため、今回の菅義偉首相の行為に抗議し、6名の学者の会員への就任を認めるよう強く求めます。

2020年10月3日

明治学院大学キリスト教研究所・国際平和研究所有志

賛同有志(50音順)

青柳寛、秋月望、秋山道宏、淺川和也、阿部浩己、李省展、石原俊、伊藤るり、いとうたけひこ、稲垣久和、猪瀬浩平、宇井志緒利、植木献、上村英明、梅林宏道、大村真樹子、岡田信弘、岡田仁、岡田勇督、岡部一興、岡本雅享、荻村哲朗、小田原琳、鍛冶智也、片野淳彦、勝俣誠、金丸裕一、木村真希子、久保田浩、久山道彦、小寺隆幸、小沼通二、齊藤栄一、齋藤百合子、坂井悠佳、桜井均、佐藤飛文、篠崎美生子、司馬純詩、柴田優呼、嶋田彩司、砂川秀樹、徐正敏、高井ヘラー由紀、高橋博子、高橋一、高原孝生、嶽本新奈、田中祐介、千葉立也、鄭栄桓、辻直人、津山直子、勅使川原香世子、友澤悠季、戸谷浩、豊川慎、長島怜央、中西恭子、中野綾子、中野佳裕、ナギザデ モハマド、浪岡新太郎、野口久美子、箱山富美子、長谷川美保、長谷部美佳、東澤靖、平山恵、藤川賢、牧律、松島泰勝、松谷曄介、丸山直起、水落健治、宮地基、村上志保、森まゆみ、森あおい、横山正美、吉岡拓、吉原功、涌井秀行、渡辺祐子、他5名

*2020年10月10日現在<89名>

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