功労者に船戸良隆氏 伝道者としてアジアの子どもの教育に尽力 日本キリスト教文化協会が顕彰 2020年10月26日

 日本キリスト教文化協会(近藤勝彦理事長)は2020年の「キリスト教功労者」に、NPO法人アジアキリスト教教育基金顧問の船戸良隆(ふなと・よしたか)氏(日本基督教団勝沼教会牧師)を選定し、10月19日、教文館ウェンライトホール(東京都千代田区)で顕彰式を行った。関係者など約50人が参加した。顕彰は今回で51回目。

 同顕彰式は、キリスト教文化に関わる教育・福祉・医療・社会事業・文化活動などの分野で貢献した人を顕彰することによって、さらなる活動と研究を促し、キリスト教文化を通して、隣人を愛し、思いやりのある文化の醸成を図ることを目的に毎年開催されている。選考の対象となるのは、キリスト教関係の事業や思想の普及に功労のあった75歳以上の男女。例年は2、3人が選考されるが、今回は新型コロナウイルス感染防止による会場の都合もあり、1人での顕彰となった。

 船戸氏は1936年東京生まれ。高校2年の時に米国オレゴン州から来た宣教師により洗礼を受ける。その後、武藤富男牧師の指導を受け、献身を決意し、東京神学大学に入学。全国のキリスト者学生らと「筑豊の子どもを守る会」を結成し、大学院1年の時には1年間休学して炭鉱に住み込み、子どもたちの教育や生活を支援した。その後、65年に修士課程を修了し、2年間日本基督教団・聖和教会の伝道師として牧会に従事。

 69年に海外協力事業団よりベトナム、サイゴン大学日本研究講座講師、76年には国際交流基金よりタイ国の2大学の日本研究講座講師として派遣される。81年、日本キリスト教海外医療協力会海外担当主事、後に総主事に就任。90年、アジアキリスト教教育基金専務理事・事務局長に、2000年国際協力NGOセンター(JANIC)理事長に就任。

 顕彰式は礼拝形式で執り行われ、ルカによる福音書(10:33~37、41~42)の朗読、祈祷の後、あいさつに立った近藤氏は、船戸氏が日本におけるNPO、NGOの活動の草分け的な存在として活躍したことを伝え、朗読した聖書の言葉を紐解きながら次のように語った。

 「船戸先生は、アジアの子どもの教育のために生涯を捧げてこられました。そこには、『行って、あなたも同じようにしなさい』『必要なことはただ一つだけである』とおっしゃる主の言葉に従い続けた、伝道者としての姿があります。これは決して不思議ではないことを私たちは知るべきです。このような生き方が、日本人の中に、私たちの親しい交わりの中に現れたことを神様に感謝し、先生に続く若い世代の人たち出てくるように心からお祈りしたい」

 顕彰の記念品が贈呈された後、船戸氏が謝辞を述べた。生涯の師として尊敬する隅谷三喜男(すみや・みきお)氏が、叙勲は即座に断りながらも、2001年にキリスト教功労者に顕彰された時には満面の笑みをたたえてとても喜ばれたというエピソードを披露。「私は隅谷先生からいろいろなことを学びました」と振り返り、その中でも最も心に残ることとして、「……どんなことがあろうと十字架から顔を背けることのない勇気を、私に与えてください! そして、愛する祖国の危機に際しては、重い十字架を背負うことのできる者にしてください」という隅谷氏が16歳の時に書いた英文の詩を紹介した。

 「この詩は、先生の自伝『激動の時代に生きる』(岩波書店、2000年)に出てくるのですが、イエス・キリストに救われたことは、十字架を仰ぐということと、十字架を背負うことの二つの面があると思います。これからも先生の教えに従っていきたい。私も84歳になりましたが、あと20年くらいは働けるかなと思っています。実は最近、夢に若い素敵な女性が出てきて、この人とぜひ友だちになりたいと思っているところです」

 会場を温かい笑いに包んだ後、このように締めくくった。

 「私は主によって、あと何年生かされるか分かりませんが、その間、隅谷先生の教えに従って、キリストのからだとして歩んでいきたい。本日はお集まりいただき心から感謝申し上げます」(クリスチャンプレス)

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