NCC靖国神社問題委 首相、立民代表らの伊勢神宮参拝をけん制 2020年12月25日

 日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会(星出卓也委員長)は12月10日、「伊勢神宮参拝をしないでください」とする声明を菅義偉首相、立憲民主党の枝野幸男代表宛に送付した。

 声明では、新年の仕事始めに首相や閣僚らが伊勢神宮に参拝してきたことについて、「日本政府と一宗教法人である伊勢神宮とが特別な関係にあるかのような印象を与え、参拝が内閣にとって必須なものであると国民に思わせる行為」であり、憲法第20条3項の政教分離原則に違反すると指摘。

 「伊勢神宮は、1869年の明治天皇の参拝から1945年の敗戦まで、国家神道の中心的存在でした。政府が宗教を利用し、国民の思想を統制した国家神道体制の負の歴史を背景に持つ宗教施設」「政教分離原則は、国家神道体制の再現を防ぐためのものであり、それを無視することは厳に戒められるべき」として、年頭の伊勢神宮参拝を行わないよう求めた。

 菅義偉首相宛の声明全文は以下の通り。


首相と閣僚は伊勢神宮参拝をしないでください

内閣総理大臣
菅 義偉 様

 前政権では、新年の仕事始めに首相や閣僚らが伊勢神宮に参拝し、その直後に伊勢神宮敷地内の神宮司庁において、政府の年頭の記者会見を行うことを継続して来ました。これらの行為は日本政府と一宗教法人である伊勢神宮とが特別な関係にあるかのような印象を与え、参拝が内閣にとって必須なものであると国民に思わせる行為です。これは、日本国憲法第20条3項の政教分離原則に反します。そのため、私たち日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会は、これまでも参拝しないよう要請してきました。菅政権は、こうした憲法違反の悪しき前例に倣うことなく、年頭の伊勢神宮参拝を行わないよう強く求めます。

 伊勢神宮は、1869年の明治天皇の参拝から1945年の敗戦まで、国家神道の中心的存在でした。政府が宗教を利用し、国民の思想を統制した国家神道体制の負の歴史を背景に持つ宗教施設です。戦後、伊勢神宮は、全国に8万といわれる神社を包括する宗教法人神社本庁の「本宗」に位置しています。政府と特定の宗教との関わりを禁じる政教分離原則は、国家神道体制の再現を防ぐため
のものであり、それを無視することは厳に戒められるべきです。

 私たち日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会は、これらの憲法違反が継続して行われている現状を深く憂慮し、菅政権においては憲法を遵守し、年頭の伊勢神宮参拝を行わないよう切に求めます。

2020年12月10日
日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会
委員長 星出卓也

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