戦没者の遺骨を埋め立てに使うな 宗教者共同声明で呼び掛け 2021年1月10日

 沖縄の鉱山開発によって戦没者の遺骨が含まれている土砂が辺野古新基地建設の埋め立てに使われる恐れが出てきているとして、日本カトリック正義と平和協議会、平和を実現するキリスト者ネット、日本宗教者平和協議会など6団体は2020年12月10日、「戦没者の遺骨が含まれている土砂を辺野古新基地建設に使わせてはなりません」と題する宗教者共同声明を発表した。

 声明は、沖縄戦で犠牲となった人々の遺骨が収集されないまま、土砂と一緒に、辺野古新基地建設の埋め立てに使われようとしていることに抗議したもの。昨年、埋め立てに使う土砂の採取地として沖縄本島南部が追加されたが、今でも多くの遺骨が残存しており、「遺骨をないがしろにすれば、死者の尊厳を踏みにじることになる」「命を尊ぶ宗教者として、これを許すことはできません」と主張。菅義偉首相に対し、ただちに土砂の採取を中止し、沖縄戦犠牲者の遺族に謝罪することを求めた。23日には糸満市米須で諸宗教合同慰霊式が行われた。

 6団体は署名サイト「Change.org」でも賛同を呼びかけており、賛同者は1月14日現在で3千人を超えている。
https://www.change.org/p/内閣総理大臣-菅義偉殿-戦没者の遺骨が含まれている土砂を辺野古新基地建設に使わせてはなりません

 12月26日には、日本キリスト教協議会(NCC)総幹事の金性済氏が、同声明に係る沖縄訪問記「沖縄糸満市戦没者を二度死なせてはならない」を平和をつくり出す宗教者ネットのフェイスブックページに掲載。同氏は「天と地、死者と生者とが深く霊的につながれた平和への祈りの叫びとして、私たちは、この遺骨を含む土砂採取に抗議し、また一時中断中の土砂採取に反対する声を、沖縄、日本の津々浦々、そして世界に訴えていく課題を、2021年に向かって厳かに覚えます」と記している。

 平和をつくり出す宗教者ネットは1月8日、鉱山会社が開発行為に着手しないよう、沖縄県と糸満市に要請することを呼びかける「緊急のお願い」を、フェイスブックで発表した。
https://www.facebook.com/syukyosyanet 

 NHK国際放送は昨年8月11日、沖縄戦の戦没者たちの遺骨の発掘に取り組むボランティア団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんに焦点を当てた英語の番組
Bones That Speak of War: Gushiken Takamatsu / Head of Volunteer Group Gamafuya
を、15分間にわたって放送。公式サイトに1年間掲載している。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2058666/?fbclid=IwAR0KeMeOi5I_uUBxBRfA06DvmlBhNw1wf-_UYSrrgJzkrE2InusEW9nWLUw

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