宗教者核燃裁判で口頭弁論 「核燃サイクル」は「死のサイクル」 2021年2月1日

 キリスト教や仏教など宗派の違いを超えた宗教者が、人類の叡智を過去から受け継ぎ未来に生きる人々に受け渡す責務を果たすため、次世代に核のゴミを押し付けるわけにはいかないとの思いから、人格権に基づき、使用済み核燃料サイクル施設(青森県六ケ所村)の運転差し止めを求めた裁判(略称「宗教者核燃裁判」)で昨年12月17日、東京地方裁判所で初の口頭弁論が開かれた。

 被告は、全国の原発で発生した使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出し再利用する核燃料サイクル事業を行う日本原燃株式会社(本社・青森県六ヶ所村)。原告団には1993年に結成した「原子力行政を問い直す宗教者の会」のメンバーら211人(うちキリスト教109人)が名を連ねている。

 共同代表の岩田雅一氏(日本基督教団八戸北伝道所牧師)は意見陳述で、「この訴訟は宗教者の戦争責任、戦後責任の表明と実践であると信じたい。宗教者は国家と資本の力、暴力、棄民化、犠牲のシステムに『本来、人間とは』の問いをもって対峙し、人間の神化に抗う」と指摘。「核燃料サイクルは『命のサイクル』を破壊する『死のサイクル』」と批判した。

 「原子力行政を問い直す宗教者の会」世話人の内藤新吾氏(日本福音ルーテル稔台教会牧師)は記者会見で、「核は危険だというごく当たり前のことを訴えたい。再処理工場を止めなければ核のゴミは増え続ける」と、改めて裁判の意義を訴えた。

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