ミャンマー危機で正平協 パックス・クリスティ・アジア太平洋地区に連帯表明 2021年2月15日

 日本カトリック正義と平和協議会(勝谷太治会長)は、2月4日付でカトリックの国際平和運動組織「パックス・クリスティ・アジア太平洋地区」が発表した声明(https://paxchristi.net/…/crisis-in-myanmar-pax-christi…/)に賛同することを表明し、日本国政府に対して適切な対処を期待しつつ、ミャンマーの人々に連帯し、支える輪に参加するよう呼びかけた。声明は、2017年にミャンマーを訪問した教皇フランシスコやヤンゴン大司教のチャールズ・マウン・ボ枢機卿の言葉も引用しながら、ミャンマーの人々の意思を尊重し、民主主義の原則に則り対話によって事態を解決するよう求めている。

 パックス・クリスティ・アジア太平洋地区の声明全文は以下の通り。


パックス・クリスティ・アジア太平洋地区のメンバーは、ミャンマーの悲劇的な状況を憂慮しています

 2021年2月1日、タスマドーの名で知られるミャンマー軍は、アウン・サン・スー・チー氏と国民民主連盟(NLD)による合法的政府を排除するために、「非常事態」を宣言しました。彼女は複数のトランシーバーを不法に輸入し所持していた疑いで拘束され、彼女の仲間とともに3年の懲役刑に服するものと見られています。同時に、市民社会活動家と数人の僧侶も拘束され、10年にわたり進められてきた民主的改革が挫折に追い込まれています。

 パックス・クリスティ・インターナショナル・アジア太平洋地区のメンバーおよびパートナーである私たちは、ミャンマーにおけるこれら一連の状況を深く憂慮します。

 アジア太平洋をリードする中国メディアが、軍の最高司令官ミン・アウン・フラインと武装部隊による乗っ取りを「内閣の改造」と表現していることには、納得できません。このような事実のすり替えで、ミャンマーの人々を助けることはできません。

 世界は、今週月曜日におきたことがクーデターであったことを知っています。すなわちこれは、単に高い支持率のある政府に敵対しているばかりではなく、ミャンマー市民への、人々の希望と願望への、そして欠陥はあったにしても、何十年もの軍事的な支配の後の、人々の民主的な政治参加の誇りに対しての、極めて深刻な弾圧なのです。2012年以来、民主主義に向かって10年間続けられてきたあゆみが傷つけられたことは、悲しむべきことです。

 政府が、そのもとで機能している憲法は、本来彼らによって承認されており、立法府での地位が確立され、主要省庁の管理権が与えられているにもかかわらず、タスマドーが民主主義にこのような打撃を与えようとしたことを遺憾に思います。彼らが好む政党である連合連帯開発党(USDP)が最近の選挙で不振に終わったことは、彼らの行動の根拠にはなりません。

 ミャンマーの民衆は、彼らの失望と怒りを吹き飛ばそうと、鍋ややかんを叩いています。このなかには、母国が民主主義への歩みを進めることに高い希望を持つ若い世代も混ざっています。この行動は、もともと、悪霊を追い払うために使われる、この民族特有のものです。行動は拡大しています。それは、クーデターに対する民衆の怒りがどれほど深いかを示しています。

 このクーデターがミャンマーの民族宗教的ナショナリズムを激化させることを、私たちは心配しています。国際社会はロヒンギャに対して行われてきた残虐な行為を苦しみを持って目撃してきました。ロヒンギャの70万人以上がバングラデシュに避難しました。しかしまだ60万人以上の人々が、ラカイン州に残っています。この少数民族に対する、武装したミャンマー軍の行為はよく知られています。

 2017年教皇フランシスコがミャンマーを訪問したのは、ミャンマーの人々の平和が実現するためでした。最近の回勅「フラテリトゥッティ」で、教皇フランシスコは次のように語っています。

平和とは単に戦争が無いということではない。それは私たち兄弟姉妹の尊厳を、認識し、まもり、具体的に回復するたゆまぬ努力のことである。

 私たちは、ミャンマーの状況に関する、国連事務総長の声明を支持します。彼は、軍指導部に対してミャンマーの人々の意思を尊重し、民主主義の原則を遵守するように求めています。さまざまな違いは、平和的な対話を通じて解決されるべきなのです。彼はまた、すべての指導者は、有益な対話を用い、暴力を回避し、人権と基本的な自由を最大限尊重して、ミャンマーの民主主義的な改革のもたらす、より大きな利益のために行動しなくてはならない、と述べています。

 アジア太平洋地域の各地から集まる私たちは、ミャンマーの憂慮すべき状況に関心を持ち、人々を支えるために、以下の行動を呼びかけます。

・ジョン・ソー・ヨー・ハン ヤンゴン大司教が呼びかけるように、注意深さと祈りの心を持って、私たちはミャンマーの人々に連帯して立ち上がり、ミャンマーの人々を支えつつ、大勢の人たちが私たちに加わるよう求めます。

・タスマドーに、人権侵害に反対する人々に対して武力を行使するのをやめるよう、求めます。彼らは民主主義と法治主義のために立ち上がっているのです。

・タスマドーに、直ちにアウン・サン・スー・チー氏と彼女の仲間を解放し、民主主義の再建を含む、ミャンマーの建設的かつ民主的な発展についての、有益な対話のテーブルに着くよう、求めます。

・アジア太平洋地域の関係諸国に、ミャンマーの危機的状況を、自国の政治的経済的利益追求のために利用しないよう、訴えます。

・アジア太平洋地域とさらに広域の政府に、以下のことを求めます。軍事クーデターに立ち上がり、タスマドーが非合法に奪い取った権力を直ちに放棄し、逮捕者を解放するよう圧力を加えること。

・タスマドーに、ヤンゴン大司教、アジア司教連合会長であるチャールズ・マウン・ボ枢機卿(SVD)の次の言葉に耳を傾けるよう求めます。

「私は以下のことを祈りと希望を持って記します。この偉大な国、心優しい人々、豊かな大地は、希望と平和の和解の共同体に育っていくであろう。対話によって諍いを収めよう。平和は可能だ。平和こそが唯一の道だ。民主主義はこの歩みの唯一の光だ」

パックス・クリスティ・アジア太平洋地区

2021年2月4日

©Pax Christi International

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