〝クリスチャン文化を育てたい〟 「アリシアの森」村長・岩渕まことさんに聞く 2021年2月16日

 クリスチャンアーティスト・クリエイターを中心とするコミュニティサイト「Christion Culture Connectionsアリシアの森」がグランドオープンしてから1カ月が経った。本プロジェクトは、コロナ禍で表現の場を失ったアーティストたちを支援するCAS(クリスチャン・アーティスト・サポート)から派生したもの。

 これまでに連休を活用した2回の配信イベントを開催したほか、約100人が村人(有料会員)に登録し、コンテンツも徐々に充実するなど、軌道に乗り始めたところだ。

 「村長」こと代表を務めるシンガーソングライターの岩渕まことさんに改めてアリシアの森に込める想いについて話を聞いた。

 「新しい取り組みとして、いろいろな教会の今年のテーマ聖句の写真を展示しています。なかなか見られない、ちょっと面白い光景ですよね。多くのクリスチャンは、自分が所属している教会や教団以外のクリスチャンと接する機会が少なかったり、狭い世界で生きている方が多いと思うんです。でも、自分が知らない場所にも、優れた才能を持つクリスチャンの人はたくさんいる。この森が教団、教派を超えて、個性豊かなクリスチャンの方が集まる場所になればと思っています」

 アリシアの森が目指しているのは、音楽、文学、映像、美術、工芸、演劇……などさまざまなジャンルで活躍するクリスチャンアーティストやクリエイターが集い、交流しながら、新しい可能性や発見、文化を生み出す場所。

 村人に登録すると、限定コンテンツの配信などの特典があるが、あくまでも、提供するのは場所であって、コンテンツではないと岩渕さんは言う。

 「会費はクリスチャンアーティストたちの活動やモチベーションを支え、新たに文化を育てるための支援金と考えていただけたら嬉しいです。これが、森を育てる栄養になります。クリスチャンアーティストの中には『奉仕』という言葉で、無償で仕えている人が多くいます。もちろん、自身が心から喜んで奉仕している場合は、とても素晴らしいことですが、周囲の人間が『奉仕してほしい』あるいは『奉仕するのが当たり前』だと感じていないでしょうか。

 皆さんご存知のJ.S.バッハは、宮廷音楽家として報酬をいただきながら、教会カンタータなどの名曲を作曲しました。海外には現在も、世界的に活躍しているクリスチャンアーティストがいますが、日本ではどうでしょうか。そもそも育つ土壌がないんです。ましてや、このコロナ禍のように、社会的に大きな出来事が起こると、まず初めに芸術や文化が排除されてしまう。でも、聖書を読む上では、音楽や芸術によって豊かな感性を養うことはとても大切であり、アーティストたちを通して神様が人々に教えてくださることがたくさんあると僕は考えています」

 今の目標は、年内に1千人の村人が登録すること。「音楽」は音を楽しむと書くように、何よりも楽しい場所になってほしいと岩淵さん。自由なアイデアから、新しいものが生まれるのを心待ちにしているという。

 「アーティスト名鑑に登録してくださるクリスチャンアーティストの方も募集しています。いまはまだ、皆さんに知っていただくために、私たちが企画してイベントを行っていますが、いずれはこの森で出会ったアーティストたちがお互いに影響を与え合って、ゼロから企画を立ち上げたり、一緒に作ったものを発信する場になればいいなと思っています。いずれこの森が豊かになり、例えばクリスチャンではない人がアーティストを探しているときにアリシアの森に出会い、そこから文化が生まれ、口コミで広まっていったら、それはもう、宣教といえますよね。ぜひこの、ニッチな村で出会いましょう」

(クリスチャンプレス・河西みのり)

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