【信教の自由を守る日】 美濃ミッション事件に学ぶ教訓「崇めるべき対象明確に」 2021年2月21日

 日本キリスト教会近畿中会「教会と国家に関する委員会」は2月15日、日本キリスト教会大垣教会(岐阜県大垣市)での石黒イサク氏(美濃ミッション代表)による講演「日本のキリスト者としての歩み」をオンラインでも配信した。

 冒頭、自身が著した小冊子『どこまで見抜けるか、迫害の文脈化』をもとに、戦前の宗教弾圧の根底に日本社会と天皇制の特殊性があったことを指摘した石黒氏は、美濃ミッション事件の概要を解説。美濃ミッションは1918年、アメリカ人宣教師セディ・L・ワイドナーが岐阜県大垣市に設立したキリスト教の単立教団。1929~33年、所属児童が信仰上の理由から神社参拝を拒否したことを機に、地域住民を中心として起こった2度にわたる宗教弾圧が美濃ミッション事件である。

 当時、大垣教会の牧師らは「神社は宗教にあらず」という国家神道の主張に迎合した。戦後、弾圧に加担した責任ある立場の校長は、「自分がしたことではなく、住民に迫られてやったこと。私も板挟みで苦しんだ」と言い逃れしたという。

 これらの顛末から、「当時、もし教会がこぞって反対の声を上げていたら歴史は変わっていたかもしれない。体制と妥協したからといって、迫害を回避し、教勢を拡大できたわけではなかった」とし、「日の丸・君が代」強制の問題に際しても、多くの教会が「強制はしないと言っている」と黙認したことを危惧。

 生かすべき教訓として「特別なことをする必要はない。最も崇(あが)めるべき対象は何かを常に明確にし、クリスチャンは偶像を拝まないと認知されること」を挙げ、「社会がどうあれ正しいものは正しいと証しするだけ。決して過去の問題ではない」と警鐘を鳴らした。

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