【東アジアのリアル】 新型コロナと韓国教会の教会学校 李 恵源 2021年3月11日

 幼いころ、筆者はソウル市の周縁部にあった大規模マンションに住んでいた。当時通っていた教会は、大規模マンションの敷地内にあった3階建て商業ビルの2階に入っていた小さな「町の教会」であった。1980年代末から90年代初めのことであったが、その教会の小学生部はいつも礼拝堂を満杯にし、賑やかであった。子どもであれば7、8人はゆうに座れる長椅子が1列に2台ずつ15列にわたって置かれていたので、少なくとも200人はいたのではないかと思われる。しかも、収容人数不足のため2クラスに分けられていたので、小学生部だけでも400人はいたはずである。

 そのような光景は、私が通っていた教会にだけ見られるものではなく、1980~90年代においては韓国教会のどこにでも見られるものであった。ある統計によれば、1980年代には中高等部までを含む教会学校の生徒・児童数が全教会員数の50%に肉薄していたということであるが、そのような統計結果は、私が通っていた教会を思い浮かべてみても違和感はない。

 しかしながら、そのような状況にも変化が見られ出す。それは、韓国における出生率が急激に低下し始めた1995年ごろからのことであった。韓国統計庁の調査によれば、出生率が低下した結果、子どもの総人口に占める割合は、1990年の26%から2019年の12%にまで低下している。教会においても同様のことが起こった。教会学校の生徒・児童数の全教会員に占める割合は、1990年代に入って30%台となり、2000年代には20%台にまで低下した。一般化することはできないであろうが、筆者が昨年日本に来る直前まで出席していた100人規模の教会のように、教会学校の生徒・児童数の割合が10%台の教会もある。

教会学校 減少傾向統計(「ニュースエンジョイ」2017年5月4日より)

 図に示されているように、大型教団である大韓イエス教長老会の統合派および高神派(共に長老派)と基督教大韓監理会(メソジスト)の3者の教勢統計報告書を見ると、2006年以降の10年間に教会学校の生徒・児童数が30~40%以上減少していることが分かる。

 このような状況にあった教会学校は、新型コロナウイルス感染症によってさらに危機に瀕している。1年以上にわたって感染症が拡散する中、子どもの親たちは、感染に特に弱いと考えられる子どもたちを教会に連れていくのをためらうようになった。韓国のまた別の大型教団である大韓イエス教長老会合同派が今年2月22日に発表した調査結果によれば、同教団所属の教会のうち現在22.4%の教会で教会学校が運営されていない。5教会中1教会において教会学校がない状態にあるということである。教会学校が運営されている場合でも、50%以上の教会の未就学・幼小学部・中高等部がそれぞれ10人以下の状態にあり、30人を超えるケースは未就学2.6%、幼小学部3.5%、中高等部4.4%に過ぎなかった。

 ここ数年間、韓国教会の教会学校は「減少」ではなく、「解体」レベルに入ったとの声が聞かれるようになったが、新型コロナウイルス感染症の発生によって、そのスピードは予想以上に早まっているのではないかと懸念される。

李 恵源
 い・へうぉん 延世大学研究教授。延世大学神学科卒業、香港中文大学大学院修士課程、延世大学大学院および復旦大学大学院博士課程修了。博士(神学、歴史学)。著書に『義和団と韓国キリスト教』(大韓基督教書会)。大阪在住。

連載一覧ページへ

連載の最新記事一覧

TO TOP