【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】 教会からのしつこい勧誘を断るには? 塩谷直也

Q.教会からのしつこい勧誘を断るにはどうすればよいでしょうか?(30代・非信徒)

 「しつこい」と思われる信仰の勧誘は、本人の生活を賭して迫ってくるものがほとんどですから、あなたの礼儀正しい、遠回しの断り方では相手に通じないでしょう。相手はあなたが迷惑していることに気付かない「鈍感さ」(もちろんそれは「大胆さ・積極性」とも言えますが……)を持ち合わせています。くれぐれも「わかってくれるだろう、察してくれるだろう」との甘えをもって接しないこと。徹頭徹尾、次のような内容を相手側に明確に伝えてください。

 「私は○○教会の皆さんの生き方を素晴らしいと思い、尊重したいと思います。しかしながら、私はその生き方を選択したいと思いません。私には私の生き方があります。私があなたに対してしたように、あなたも私の生き方を尊重し、そっとしていただけませんでしょうか。これ以上の○○教会への勧誘は、私の生活全般を傷つける恐れがありますので、即刻中止してください」

 ここで重要なのは、あなたがあなたの生き方を説明する義務は一切ない、ということです。教会側から「その生き方でいいのでしょうか、本当の人生とは何でしょうか」と問われても、答える必要はまったくありません(答えれば相手の思う壺。勧誘は過激さを増します)。また「1回だけ集会に来てください」などの勧誘にも、理由は説明せず、同じ回答を繰り返してください。しばらくすれば、勧誘はやむはずです。

 私も若いころ、新興宗教に入った友人から大変しつこい勧誘を受け、生活が混乱しました。しかしこの経験を通し、「私の生き方」とは何か真剣に問い始め、私はキリスト教への本格的な求道を始めることとなりました。あなたが「しつこい勧誘」といううんざりする体験から、やがて「本当の生き方」に目覚め、キリストと真実に出会われるのではないか、と私はひそかに期待しています!

 しおたに・なおや 青山学院大学宗教部長、法学部教授。国際基督教大学教養学部卒業、東京神学大学大学院修士課程修了。大学で教鞭をとる傍ら、社会的な活動として、満期釈放を迎える受刑者への社会生活を送るための教育指導をはじめ、府中刑務所の教誨師として月1度ほど、受刑者への面談や講話を行う経験を持つ。著書に『忘れ物のぬくもり――聖書に学ぶ日々』(女子パウロ会)、青山学院大学の人気授業「キリスト教概論・Q&A」が書籍化された『なんか気分が晴れる言葉をください――聖書が教えてくれる50の生きる知恵』(保育社)など多数。

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