世界福音同盟 イスラム教の指導者と改宗の正当性について合意 2021年7月27日

 世界福音同盟(WEA)はこのほど、推計3000~5000万人を擁するインドネシアのイスラム法学者による組織「ナードラトゥム・ウラマ」と(NU)と協力する旨の声明に調印した。

 2021年国際宗教自由(IRF)サミットで両者が調印したのは、「調和した世界秩序の出現」を求め、憎悪に基づくアイデンティティと政治的武装化を防ぐための全世界的な協定を目指す「国家のモスク声明」。世界最大規模のムスリム組織が、キリスト教徒による改宗行為を受け入れ、福音主義者との新しい協力関係が紛争を誘発しないことを確実なものとした。

 「福音主義者たちは改宗を切望しており、イスラムも同様。だから自然に軋轢を生むだろう。しかし、それは平和的、調和的に行われなければならない」と、ヤーガ・コリル・スタクフ秘書長は言う。

 ドイツの神学者シャーマッハー氏は、「我々は、お互いが変わる権利のために働いている」と言う。「宗教的自由とは、私たちが他宗教に合意していることを意味しないが、深い相違を抱きながらも平和に生きることを意味している」。

 「聖戦につながるジハードの世紀が続いてきた。今や、新しい方向性へ意識をシフトする時である」とWEA神学委員会のシニアアドバイザーであるトーマス・ジョンソン氏は言う。これは、隣人愛、人間尊重、弱者救済といった言葉に込められた「深い合意」という認識を含む。ジョンソン氏は、WEAの人道的イスラムに従事する特命全権大使である。

 NUのノースカロライナ州をベースとする学会と共に、WEAはシャーマッハー氏の名で学会論文集を出した。そのタイトルは、「神は防御を必要としない:21世紀におけるムスリム―クリスチャンの関係を保持していく」。この論文集は特に、トルコ大統領がイスタンブールのアヤソフィア大聖堂を博物館からモスクに変えたことへの辛辣な批判が込められている。

 IRF最高首脳会談の共同代表サム・ブラウンバック氏は、異なる宗教間の協力の象徴として同論文集を賞賛。「ムスリム、シーク教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒の間で、旧友に会う時のような喜ばしい約束がある」と「クリスチャニティー・トゥデー」紙に語った。

 2億5000万人のインドネシア人口の約87%がイスラム教徒、約10%がキリスト教徒、残りがヒンズー教徒、仏教徒である。2019年、NUの何千もの会合で、学者たちは「異教徒」「ノンムスリム」という宗教的カテゴリーを捨て、現代国家の市民概念に取って代わらせた。「ファトワ」(イスラム法学に基づいて発令される勧告)はシャーリア法の賦課を批判するナサンタラ宣言、また過激主義やそのイスラム的正当化を非難する2016年のジャカルタ宣言に基礎をおいている。

写真=Courtesy of World Evangelical Alliance

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