日本福音ルーテル社団 社団法人から財団法人へ移行 2021年9月1日

 「キリストの愛をもって、日本と世界の助けを必要とする人びとに仕えること」を使命とする非営利団体、日本福音ルーテル社団(古屋四朗理事長、JELA)は8月28日の社員総会を経て、米国ルーテル教会の宣教師による設立以来112年の「社団」としての歴史に幕を下ろし、2021年9月1日から新たに「一般財団法人」として歩み出すことになった。

 財団として目指す方向性についてJELAは、「霊的・財的遺産のよき管理者を務めながら、これからもますます、助けを必要とする人びとのために、キリストの愛をもって仕えていくということ」「そして、神が愛のお方であることが一人でも多くの人に伝わることに、私たちのゴールがあります」としている。

 日本福音ルーテル社団は1909年、民法第34条により社団法人として当時の文部大臣の認可を得て創設された。創設当初は「在日本アメリカ合衆国南部福音ルーテル教会ユーナイテッド・シノッド宣教師社団」と称し、アメリカ福音ルーテル教会の宣教師を中心とする社団だった。しかし、宣教師による宣教の伸展に伴い、幼児教育、青年男女の高等教育に関する社会的要求に加え、さまざまな社会的弱者の救済援護に関する要請に応えるために、幼児教育施設、高等学校(旧制中学校)、大学の設立とその維持支援に奔走し、関東大震災を機に老人ホーム、母子ホーム、保育所(託児所)の設立とその維持支援に尽力してきた。

 現在、ルーテル系関係施設としては全国に大学が2校、中・高等学校が4校、幼稚園が29園、老人ホーム8園、保育所20園、母子ホーム3園、こども養護関係施設が6施設、ライトハウスなど、その他福祉施設が8施設あり、その活動は計78施設に上る。

 理事長の古屋氏は、将来的に公益財団法人を目指す理由について4月発行の機関紙で、「キリストの愛をもって人々に仕える活動を拡大するには、社会的に公益団体として認められるかたちを取ることが必要」「私たち自身が公益団体の自覚を持ち、社会の人々に信用され、寄付金への税制特典でお返ししながら後援者を増やし、団体自身も資金調達に伴う税金を極力公益事業に振り向けることができる」と言及。「今のJELAの活動原資の大半は……かつての宣教師館などの土地を処分した財産から生み出した資金です。ですから現状のJELAには財団法人のほうがふさわしいので、一般社団法人から公益財団法人に、これから約1年かけて移行するという方針を立てました」「評議員も理事も、公益法人なのでルーテル教会員に限定はしませんが、100年以上前の宣教師の方々のスピリットを受け継いで、未来に向けて発展させてくださる方々を選んでいきます。社団法人に比べて、ずっと安定した運営ができると思います」と記している。

 新たな財団法人JELAでは、1カ月あたり100円以下の金額から定期的・継続的に支援できるよう、以下の選択肢から選べる寄付システムを開始。

①年1回の定期寄付:1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、1万円、5万円
②月1回の定期寄付:1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、1万円
③ワンタイム寄付:「難民支援事業のために」「カンボジアの水プロジェクトのために」など、特定の事業・プロジェクトへの1回かぎりの寄付。

 ①②を選んだ寄付者には、「JELAサポーター」として以下の特典を用意するとしている。

・JELA主催の有料のセミナー、イベントの参加費割引
・定期的なJELAサポーターの集い・意見交換会への招待
・事業報告書の送付

 寄付に関する詳しい情報については、JELAの新サイト(https://www.jela.or.jp/)を参照。なお、JELA事務局の住所・電話番号などの問い合わせ先に変更はない。

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