【夕暮れに、なお光あり】 年を取るということ 島 しづ子 2021年11月1日

 『HOPE SPOTに寄せる想い――島しづ子作品展』を辺野古でしました。

 地球の課題として温暖化対策があります。「ミッション・ブルー」という世界的なプロジェクトがあります。海洋博士シルヴィア・アール博士が立ち上げた、世界で最も重要な海域を「ホープスポット」(希望の海)に設定して保護していこうという活動で、世界で約110カ所以上がリストアップされています。辺野古・大浦湾一帯は日本で初めて認定された「ホープスポット」です。人類が守らなければ人類自体が危機に見舞われる場所なのです。大浦湾で確認されている生き物は5334種。そこには262種もの絶滅危惧種が含まれています。この海には天然記念物のジュゴンが棲み、絶滅危惧種のウミガメが産卵のために上陸します。沖縄島はサンゴ礁の島ですし、昔からたくさんのサンゴが棲んでおり、海の中を覗くと、サンゴが森のように茂り、色とりどりの魚や珍しい生物が生きています。

 私は辺野古・大浦湾の海に出て、新基地建設反対行動に参加しています。現在、新基地のために、浅瀬が埋め立てられ、大浦湾には新しい護岸が突き出ていこうとしています。そういう景色に心を痛めながらも、辺野古と大浦湾の美しさに圧倒されています。その感動を水彩で描き続け、その絵をフェイスブックにアップしてきたところ、それを見た「Heaven Heaven」のオーナー、リリーさんが「お店で作品展をしない」と声をかけてくれました。

 お店は辺野古の町の中心にある瀟洒なお店です。キャンプ・シュワブゲート前に座り込みに来た人がランチをしたり、ひと休みできる場所です。リリーさんは辺野古に住んでいる人や旅人が出会う場所を願って開店しました。島野菜カレー、ヨモギ沖縄そば、コーヒー、スムージーなどどれも美味しいです。

 10月半ば、辺野古の朝、大浦湾、カヌーの活躍などを描いた作品を展示させてもらいました。沖縄の願いは「もう二度と戦争はごめんだ! 新基地は要らない」です。工事は私たちの心を痛ませます。だからどこかに希望を見いだそうと、祈り心で描きました。

 辺野古では、60代はまだ若者で、70、80歳が現役で「HOPE SPOT」を守り、豊かな自然を子どもたちに残したいと活動しています。

 「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった」(創世記1:31=新共同訳)

 神様の造られた自然は神秘に満ちていることを日々感じます。その感動をいかに表現しようかと模索しています。

 しま・しづこ 1948年長野県生まれ。農村伝道神学校卒業。2009年度愛知県弁護士会人権賞受賞。日本基督教団うふざと伝道所牧師。著書に『あたたかいまなざし――イエスに出会った女性達』『イエスのまなざし――福音は地の果てまで』『尊敬のまなざし』(いずれも燦葉出版社)。

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