【COP26】 宗教者ら世界の指導者たちに行動求め緊急の呼びかけ「最も脆弱な人たちに正義を」 2021年11月13日

 英スコットランドのグラスゴーで交渉が難航し、期間を延長して開かれている「気候変動に関する国連枠組条約第26回締約国会議(COP26)」が終盤を迎える中、宗教者のグループが、議長が提案した同会議の最終的な草案決定文の内容が「心配なほどバランスに欠ける」などとして、世界の指導者たちに対し、気候変動の影響に対して最も脆弱な人たちや社会の正義をもたらすための緊急かつ野心的な行動を呼びかける声明文を発表した。ACTアライアンスが11月12日にその英語全文を公式サイトに掲載した。これには、世界教会協議会(WCC)のイオアン・サウカ総幹事代行ら32人の宗教指導者や信徒などが署名している。
https://actalliance.org/act-news/faith-community-urgent-call-for-action-at-cop26/

 全訳は以下の通り。


 時間がなくなりつつある。COP26の交渉が危機に達する一方で、世界の宗教共同体のメンバーたちは、世界の南半球の姉妹兄弟たちに率いられて、最も脆弱な人たちや社会の正義をもたらすための緊急かつ野心的な行動を呼びかける。
現在の草案文は心配なほどバランスに欠けている。緩和策について進歩がみられる一方で、気候変動の影響の増大に取り組むのに必要な行動に関する言及が限られているのは衝撃的である。

 何の具体的な行動も特定することなく草案決定文で損失と被害(L&D)に単純に言及することは、攻撃的で不道徳である。現在の草案文は損失と被害に関する行動をもたらす別個のメカニズムをもたらすのに失敗しているだけでなく、新しい資金へ至る何の現実的な道をも提示してもいないのである。

 資金に関する草案決定文は、より貧しい国々を支援するのに年間1000億ドルを提供するという延滞された約束が果たされるだろうという確信をもたらすのに失敗している。その資金の約束の一部としての、適応策に関する約束は、金額が非常に不足している。現在の草案文は、大部分の公的資金が、気候変動に脆弱な国々の債務の重荷を増し加えている融資として来るという事実も、またその利用に関する課題も取り上げていない。

私たちがいま必要な行動

 世界の指導者たちは今こそ歩みを進めて、以前の合意を強化し気候危機の最前線で生きている人たちをその中心に据える、明確で行動可能な決定文をもたらさなければならない。

 私たちはCOP26にいる世界の指導者たちに対し、次のことによって、神の創られた全てのものを保つよう呼びかける:

■すべての国々、しかしとりわけ主要な排出国に促すこの草案決定文の文言を含めて、この危機の緊急性を認識し、毎年各COPにいてその国々の現在の「国が決定する貢献(NDC、国別削減目標)」の目標を超える、新たな野心の発表を持って前に出て来ること。

■緩和策や適応策のための資金とは別に、別個かつ追加的な資金提供の流れを動員することを通じて、L&Dに取り組むよう、全ての締約国に呼びかけること。L&Dを常設的なCOPの議題にすること。そしてCOP27までにサンチャゴ・ネットワーク**の完全な運用化を支援するための適切な許容能力と資金を確保すること。

■より富裕な国々の政府が自らの約束を果たして2020年よび2025年までの毎年に1000億ドルを提供すること。これは緩和策と適応策の間で50対50で分けなければならず、融資ではなく贈与という形でなければならず、そして資金がそれを最も必要としている人たちに届くようにするために、資金の利用に関する問題に取り組むものでなければならない。

署名者:
*イオアン・サウカ神父(世界教会協議会総幹事代行)
*アン・ブルグハルト牧師(ルーテル世界連盟総幹事)
*トマス・シルマッヒャー監督(世界福音同盟総主事)
*シャヒン・アシュラフ(イスラミック・リリーフ・ワールドワイド、グローバル提言活動最高責任者)
*フィドン・ムウォンベキ(全アフリカ教会協議会綜幹事)
*スザーナ・マッティングリー(協議のためのフレンド派世界委員会総幹事代行)
*ルデルマル・ブエノ・デ・ファリア(ACTアライアンス総幹事
*ユンギ・ミン(宗教間気候とエコロジー・ネットワーク事務総長
*ヴァレリアネ・ベルナルド(ブラーマ・クマリス・ワールド・スピリチュアル・ユニバーシティ国連代表)
*ジャック・パーマー・ホワイト(アングリカン・コミュニオン国連代表)
*アイツジム:エコロジカル・ユダヤ教
*サナット・クマル・バルア(アティシャ・ディパンカール平和トラスト・バングラデシュ)
*サステイナブル・アクション・フォー・ネイチャー(SAN、自然のための持続可能な行動)
*ケネス・ナナ・アモアテング(アビビンスロマ基金、ガーナ)
*マーク・マクドナルド(全国先住民族聖公会大主教、カナダ)
*ジェイムズ・シュリ・ブハグワン牧師(太平洋教会協議会総幹事
*聖公会管区協議会アフリカ
*セラフィム・キコティス府主教(ギリシャ正教アレクサンドリア及び全アフリカ総主教庁)
*マーク・ストレンジ(スコットランド聖公会モレイ・ロス及びカイスネスとプリマス主教)
*リンダ・ニコリス大主教(カナダ聖公会首座主教)
*タンカーネスのジム・ロード・ウォレス(スコットランド教会総会議長)
*ジュード・リバーモア(英国メソジスト教会ミッション長)
*フレッド・ミリガン(プレズビテリアン・フォー・アースケア<地球を大切にするための長老派>)
*ジョイ・ケネディ(気候のためのカナディアン宗教間断食)
*クリストファー・ハーパー(カナダ聖公会、サスカトゥーン教区主教)
*アダム・ハルケット(カナダ聖公会サスカチェワン教区主教)
*ジョン・アーノルド(英国カトリック教会サルフォード教区司教
*スティーブン・ライト(英国カトリック教会バーミンガム教区補佐司教)
*グラハム・アッシャー(英国国教会ノーウィッチ教区主教)
*オリビア・グラハム(英国国教会リーディング教区主教)
*マシュー・コッブ・キャノン・ガイルズ・ゴッダード牧師・博士(英国国教会司祭、フェイス・フォー・ザ・クライメイト<気候のための信仰>共同創立者)

**訳者注=サンチャゴ・ネットワークとは、気候変動の悪影響に対してとりわけ脆弱な発展途上国にいて、損失と被害(L&D)を回避し、最小限に抑え、そしてそれに取り組むための関連するアプローチの実施のために、関連組織や機関・ネットワークや専門家の技術支援の触媒として機能するもの。
https://unfccc.int/santiago-network/about

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

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