【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】 牧師との結婚は受洗してから? 山下智子

Q.牧師をしている彼と結婚したいと相談したら、「洗礼を受けてからにしてくれ」と義父母から懇願されてしまいました。(20代・女性)

 結婚したいと願う彼とめぐり合ったなんて素敵ですね。おめでとうございます!

 イエスさまは結婚について創世記アダムとエバの物語をふまえ「人は父母を離れて妻と結ばれ、二人は一体となる」(マタイによる福音書19章5節)と教えました。結婚とはそれぞれが生まれ育った家庭を離れ、新しい家庭をつくることです。大切なのは結婚する2人がお互いに助け合い、親に頼ることなく自分たちの責任でよりよく歩んで行こうとすることではないでしょうか。あなたは彼のご両親と結婚するわけではないのですから、親御さんの意見だからといってそれに安易に従う必要はないのですよ。むしろ、彼は結婚と洗礼について何と言っているのですか?

 いずれにしても、なぜ彼のご両親が洗礼を懇願したのかはもう一度彼と一緒によく考えてみる必要はありそうですね。あなた同様彼を深く愛しているお母さん、お父さんの意見です。結婚に夢膨らむあなたや彼が気付いていない重要な問題があるのかもしれません。たとえば、使徒パウロは信者と未信者の結婚について語っています(コリントの信徒への手紙一7章)。パウロの時代と今を簡単に比較することはできませんが、それでも信者と未信者の結婚が難しさを含むことは確かなようです。

 何故でしょう? それは違う人間同士が一緒に生きていくのに大切にするものがまったく異なるのでは、うまくいっている時はともかく、うまくいかなくなった時にさらに亀裂が深まるということになりかねないからです。ましてやあなたの彼は牧師ですよね。それなのに一番近い身内のあなたが未信徒というのでは、大切な彼の牧師としての生き方や働きに説得力がなくなる心配もあります。

 とはいえ「最も大いなるものは、愛」(コリントの信徒への手紙一13章13節)です。愛し合うお二人でご家族や教会の皆さんの思いを誠実に受け止めつつ、この難しい問題に体当たりでぶつかってみてはいかがでしょう。真実の愛のあるところに神は共におられます。どうぞお幸せに!

 やました・ともこ 福島県生まれ。同志社大学大学院神学研究科博士課程(前期)修了、サンフランシスコ神学校留学。日本基督教団弓町本郷教会伝道師、日本基督教団会津若松教会を経て、2008~17年、新島学園短期大学宗教主任・准教授。2018年より同志社女子大学宗教主任・准教授。著書に『こひつじたちのあいうえお』(日本キリスト教団出版局)、『新島八重ものがたり』(日本キリスト教団出版局)、編著書に『群馬のキリスト者たち』(聖公会出版)など。

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