【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】 牧師と教会員の恋愛はご法度? 白井幸子

Q.ある教会員に心惹かれているのですが、教会生活の妨げになるのではないかと告白できずにいます。牧師の立場上、控えるべきでしょうか。(40代・牧師)

 ご質問は、結婚が許されている教派(宗派、教会)の独身の牧師さんからのものとして、回答させていただきます。

 基本的前提に、神さまは、神さまが私たちにくださった賜物(人を愛すること、愛する人と結ばれたいという思い)を抑圧したり、否定したりする中で成り立つ信仰を望んではおられないのではないか、ということがあります。

 創世記2章18節ほかには「人が独りでいるのはよくない、彼に合う助ける者を造ろう……男は父母を離れて女と結ばれる。……産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ」という神さまの言葉があります。結婚は神さまから祝福された行為なのです。祝福された家庭を持って、感謝と平安の中で生きるこの世の人生を、神さまも望んでおられるのではないでしょうか。

 それでは、この前提にしたがって自分の気持ちをすぐにも相手に打ち明け、結婚をめざして直進されるのがよいのかと申しますと、そう簡単にいかないところが本題の難しさでありましょう。

 その難しさとは、この場合、結婚が自分と相手の問題だけではなく、神と自分そして相手と自分の問題、さらには、教会員の問題でもあるところにあります。

 V・サティアという家族療法家が、次のように述べています。「他の人との望ましいコミュニケーションは以下の3条件を満たすことから生まれる。自分が幸せであり、相手も幸せであり、さらに、そうすることが置かれた状況において適切であること」と。

 牧師は牧会に集うすべての人の牧者であることの責任を負っています。自分が好意をもっていることをある人に伝えることによって、傷ついたり、悲しんだり、失望する信者さんが生まれることも考えられます。このような問題は、祈りの中で解決を求めていく他ありません。祈りつつ、知恵を働かせ、よい決断を与えられることを願っています。

 しらい・さちこ 青山学院大学文学部を卒業後、フルブライト交換留学生として渡米。アンドヴァー・ニュートン神学校、エール大学神学部卒業。東京いのちの電話主事、国立療養所多磨全生園カウンセラー、東京医科大学付属病院でHIVカウンセリングに従事した後、ルーテル学院大学大学院教授を経て同大名誉教授。臨床心理士、米国UCC教会牧師。

連載一覧ページへ

連載の最新記事一覧

TO TOP