【ウクライナ侵攻】 WCRP/RfP日本委員会 ウクライナ情勢に対する声明で「核抑止論」を否定 2022年3月3日

 世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会(植松誠理事長=写真)は3月2日、ウクライナ情勢に対する声明を発表し、ロシアによるウクライナへの侵攻に対して深く憂慮し、強い懸念を表明した。WCRPは1970年に発⾜した国際NGOで、国際諸宗教の叡智を集結し、宗教協力と国際連帯のもとに、平和構築活動を⾏っている。

 声明は、2月24日に開始された軍事侵攻により人道的危機が起きていること、ロシア国内でも市民による抗議活動が行われているものの、「権力者の力によって踏みにじられ、強制的に政治の意思決定から排除され」ていることを懸念。「紛争によって大きな犠牲を強いられるのは無辜(むこ)の市民であり、脆弱な立場にある人々である」「武力の行使は新たな憎悪を生み、報復の連鎖を断ち切ることのできない愚かな行為」とし、特に核兵器廃絶を呼びかけ、絶対非戦の精神で活動してきた日本委員会の立場から、改めて「核兵器使用絶対反対」と訴え、「即時停戦およびいかなる暴力が止むことを訴え、対話と交渉による平和的解決に向けた関係各国・各機関のあらゆる努力」を要請。「思いを同じくする世界の人々と共に連帯し、必要とされる和平に向けた対話と人権尊重に基づく人道支援を実施」すると表明している。

 声明の全文は以下の通り。


WCRP日本委員会 ウクライナ情勢に対する声明

 WCRP日本委員会は、ロシアによるウクライナへの侵攻に対して深く憂慮し、強い懸念を表明します。2月24日に開始された軍事侵攻によって、これまでに多くの市民の尊い命が失われ、傷つけられています。この人道的危機によって大多数の人々が身の安全を脅かされ、住むところを追われ、さらには国境を越えて厳しい避難生活を余儀なくされています。一方で、ロシア国内ではこの軍事的攻撃に対して市民による抗議活動が行われていますが、市民の声は権力者の力によって踏みにじられ、強制的に政治の意思決定から排除されています。

 紛争によって大きな犠牲を強いられるのはいつも無辜(むこ)の市民であり、脆弱な立場にある人々です。そして、武力の行使は新たな憎悪を生み、報復の連鎖を断ち切ることのできない愚かな行為であることを歴史が教えています。

 さらにプーチン大統領は、核戦力の使用を念頭に核抑止力部隊を「特別警戒態勢」に引き上げることを指示し、核兵器の使用を示唆しています。現在のウクライナ情勢の影響は、周辺国はおろか全世界に及び、政治的、経済的、社会的に不測な事態を招きかねません。

 とりわけ日本委員会は、1945年8月に未曽有の惨禍をもたらした原爆投下と、被ばくを体験した国の宗教者として、二度とこのような惨禍が繰り返されないことを願い、被爆者、宗教者、政府や市民などのあらゆる人々と連携し、核兵器廃絶を呼びかけてきました。この度のロシアによる軍事攻撃とそれに伴う核使用への言及は、世界を破滅の道へと導くものであり、核兵器の悲惨さを身を挺して語り続けている被爆者の核廃絶への願いを踏みにじるのみならず、平和を願う世界の多くの人々の良心を裏切る行為に他なりません。核抑止の考えは取り返しのつかない惨事を招くことを改めて想起しつつ、ここに、「核兵器使用絶対反対」を強く訴えます。

 絶対非戦の精神で活動してきたWCRP日本委員会は、今回のウクライナ情勢に対し即時停戦およびいかなる暴力が止むことを訴え、対話と交渉による平和的解決に向けた関係各国・各機関のあらゆる努力を要請します。この度の危機に対し繰り返し非暴力による解決を働きかけているWCRP/Religions for Peace国際ネットワークとともに、いのちの平等なる尊厳性を認識し、平和とすべての人々の心の安寧が一刻も早くもたらされるよう真摯に祈りを捧げます。そして、思いを同じくする世界の人々と共に連帯し、必要とされる和平に向けた対話と人権尊重に基づく人道支援を実施します。

2022年3月2日
公益財団法人 世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会
理事長 植松 誠

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