【ウクライナ侵攻】 日本キリスト教会が抗議、日本福音同盟が祈りの要請 2022年3月2日

 日本キリスト教会(有賀文彦大会議長)は2月27日、「ロシアによるウクライナ侵攻に反対します」との声明を発表。「愛と義と平和の主」に従う者として、「ウクライナから軍隊を撤退させること」「国際社会が団結を示し、非暴力的な手段を用いてロシア政府にさまざまな圧力をかけ、平和構築のための建設的な議論の席につかせること」「ウクライナ国民すべての安全が保障され、主権が回復されること」「戦争避難民を周辺諸国が積極的に受け入れ、平和秩序が回復されるまで保護することなど6項目を提起し、ウクライナの人々に連帯の意思を表明した上で、「『愛と義と平和の主』が、わたしたちのうちにもある、他者を支配しようとする高慢で自己中心的な思いを打ち砕いてくださり、まことに平和を愛し、隣人と共に歩む者としてくださるように」との祈りを加えている。

 日本福音同盟(JEA、石田敏則理事長)は3月1日、加盟教団、教会、団体の関係者に向けて「ウクライナのための祈りの要請」を発表。「ウクライナのクリスチャンの方々、また反戦の意を表しておられるロシアのクリスチャンの方々、そして世界のクリスチャンとともに祈りによって連帯すること」を表明した上で、ウクライナには2%(約88万人)の福音派クリスチャンの他、ローマ・カトリック教会、ウクライナ正教会の信徒もいることをふまえ、「ロシアとウクライナに平和がもたらされるように」「停戦協議がそれぞれのリーダーの思惑を超えて、神さまの支配の中で進められていくように」「緊迫した状況の中に置かれているウクライナの教会とクリスチャンの兄弟姉妹のために。またロシアのクリスチャンの兄弟姉妹が平和の架け橋となれるように」など7項目の祈りを挙げ、「主イエスの御名によって、全世界のクリスチャンの方々とともに祈りましょう」と呼びかけている。

 声明、要請の全文は以下の通り。


ロシアによるウクライナ侵攻に反対します

「悪から遠ざかり、善を行い、平和を願って、これを追い求めよ」(ペトロの手紙一3章11節)

平和を愛するすべての人々へ

 このたびのロシアによるウクライナ侵攻は、明白な侵略行為であり、これまで人類が多くの犠牲を払って築き上げてきた近代社会の「自由」「平等」「平和」「人権」を重んじる努力を踏みにじるもの、また『国連憲章』(第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動)にも違反した国際法違反行為です。

 わたしたち日本キリスト教会は、「愛と義と平和の主」に従う者として、このロシアの侵略行為に反対を表明し、以下のことを求めます。また平和を愛するすべての人々が、この祈りと訴えを共にしてくださるように願います。

1 ロシア政府が、ウクライナ侵攻をただちに停止し、ウクライナから軍隊を撤退させること。

2 ロシア政府が、今後も「力による現状変更」の企てを放棄すること。

3 そのために、国際社会が団結を示し、非暴力的な手段を用いてロシア政府にさまざまな圧力をかけ、平和構築のための建設的な議論の席につかせること。

4 ウクライナ国民すべての安全が保障され、主権が回復されること。

5 戦争避難民を周辺諸国が積極的に受け入れ、平和秩序が回復されるまで保護すること。

6 そのために必要な援助を、国際社会が行うこと。

 また、わたしたちはウクライナの人々に連帯の意思を表明します。困難な状況の中にあるすべてのウクライナ国民の上に神の慰めと励ましを祈ります。

 願わくは、「愛と義と平和の主」が、わたしたちのうちにもある、他者を支配しようとする高慢で自己中心的な思いを打ち砕いてくださり、まことに平和を愛し、隣人と共に歩む者としてくださるようにとの祈りをもって、この声明を発表します。

2022年2月27日

日本キリスト教会
大会議長 有賀文彦

 


JEA加盟教団・教会・団体の皆さま

「ウクライナのための祈りの要請」

「平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。」(マタイ5章9節)

 主の御名を賛美いたします。

 いまだオミクロン株による感染が続く中、対応に追われながら、福音の働きに勤しんでおられることと存じます。この度、JEA加盟団体の皆さまにウクライナのための祈りに加わっていただきたく、お願いをお送りさせていただきます。

 2月末からウクライナ情勢が緊迫し、連日の報道にあるとおり、ロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。私たちはロシアの軍事行動に対して深く憂慮し、このような侵略行為に対して反対を表明します。またウクライナの人々の苦しみを覚え、悲しみをともにしつつ、連帯を表明します。何よりもウクライナのクリスチャンの方々、また反戦の意を表しておられるロシアのクリスチャンの方々、そして世界のクリスチャンとともに祈りによって連帯することを表明します。

 エヴァンゲリカル・フォーカス・ヨーロッパによると人口4413万人のウクライナには、2%(約88万人)の福音派クリスチャンがおられ、その他にローマ・カトリック教会、ウクライナ正教会の方々もおられます。

 私たちは、ウクライナの主にある兄弟姉妹とともに立ち、祈りによって連帯します。JEAに加盟する教会とクリスチャンが一つとなって、全世界の教会とともにウクライナの方々のために、またウクライナにいる主にある兄弟姉妹と教会のために祈りをささげましょう。以下、いくつか祈りの課題を共有します。

(1) ロシアが軍事侵攻を停止し、軍を撤退させるように。ロシアとウクライナに平和がもたらされるように。

(2) ロシアとウクライナの停戦協議がそれぞれのリーダーの思惑を超えて、神さまの支配の中で進められていくように。

(3) 世界のリーダーたちが知恵をもって、戦争を止めるため、平和をつくるために働くことができるように。

(4) 生命の危険に脅かされて生活しているウクライナの人々の安全と生活が守られますように。

(5) 周辺国へ脱出し、避難している方々に主のみ守りと必要な助けが与えられますように。

(6) 緊迫した状況の中に置かれているウクライナの教会とクリスチャンの兄弟姉妹のために。またロシアのクリスチャンの兄弟姉妹が平和の架け橋となれるように。

(7) 私たち日本のクリスチャンも平和のために祈り、平和をつくる者と造り変えられるように。

 剣や権力によってではなく、愛と謙遜をもって、十字架の死に至るまで私たちのしもべとなってくださった主イエスの御名によって、全世界のクリスチャンの方々とともに祈りましょう。

 皆さまに主の祝福をお祈りしつつ。

在主

日本福音同盟理事長・石田敏則
日本福音同盟・理事一同
日本福音同盟総主事・岩上敬人

Samuel F. JohannsによるPixabayからの画像

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