【ウクライナ侵攻】 YMCAが声明 「平和を求める人々と連帯」 2022年3月3日

 日本YMCA同盟(田口努総主事)は3月2日、「軍事侵攻に反対し、平和を求める人々と連帯します」との声明を発表した。第二次世界大戦における歴史的責任を認識し、『日本YMCA基本原則』において「世界の人びとと共に平和の実現に努めることを誓っ」た同盟の性質から、軍事侵攻に反対の意思を表明。

 「第一次世界大戦下から戦争下で苦しむ若者のために活動を始め、その後も共産党組織支配下においては水面下で、独立後は長く民族紛争、貧困に苦しむ若者・子どものための活動をウクライナ全土25カ所で展開」してきたウクライナYMCAの活動を紹介し、現在も「爆撃地から逃れる人々のための宿泊・食料・衣料品・衛生用品の提供を開始」「近隣諸国のYMCAでは連携を取り、24時間体制で避難民の受け入れ、生活支援」が行われていると報告。

 「平和を希求するすべての人びとと連帯」し、「世界、アジアにおいて人権や民主主義が脅かされることがないよう、無力でも平和を求め祈り、日頃からの平和への希求の意思として武力による平和は無いこと、戦争反対の声を掲げ、平和を求める人との連帯の意思や行動を示して」いくとの姿勢を改めて明示した。

 声明の全文は以下の通り。


軍事侵攻に反対し、平和を求める人々と連帯します

 日本のYMCAは、第二次世界大戦における歴史的責任を認識し、『日本YMCA基本原則』において世界の人びとと共に平和の実現に努めることを誓っています。

 今回の、ロシアによるウクライナ侵攻について、軍事侵攻に反対し、国際的な意見の相違があっても戦争が解決策になることはなく、対話と協力による外交的な解決策が見つかり、武力紛争が一刻も早く終結することを強く願います。

 戦争は、日常生活を営む街を一瞬にして破壊し、両国の軍人が、命を奪い合い、ウクライナでは子どもを含めた多くの市民が人権と命の尊厳が奪われます。戦争が続けば、さらに多くの血が流れ、無辜の命が奪われます。その家族や友人、知人、そして私たちの悲しみの涙は、何万倍となります。今、このひと時も恐怖と不安の中にあるウクライナの人びとを想います。

 ウクライナYMCAは古くは第一次世界大戦下から戦争下で苦しむ若者のために活動を始め、その後も共産党組織支配下においては水面下で、独立後は長く民族紛争、貧困に苦しむ若者・子どものための活動をウクライナ全土25カ所で展開しています。ウクライナYMCA、ロシアYMCAともに、複雑な歴史を辿りながらヨーロッパYMCA同盟に加盟し、連なっています。平和と公正を求め、人権と民主主義にもとづいた対話による平和構築、若者の就業・メンタルヘルスについて若者自身が中心となって課題解決に望むYouth Led Solutionに注力しています。

 今回の侵攻直後から、ウクライナYMCAでは爆撃地から逃れる人々のための宿泊・食料・衣料品・衛生用品の提供を開始し、今後は子どもや若者の心理社会的支援を行っていきます。ウクライナ近隣諸国のYMCAでは連携を取り、24時間体制で避難民の受け入れ、生活支援が行われています。ロシア国内でも戦争反対のデモが行われていますが、現在の政治体制下では大きな力を持つことは難しい状況ですが、世界のYMCAでは平和を希求するすべての人びとと連帯していきます。日本のYMCAでは速やかに募金活動を呼びかけ、これらの活動を支援してまいります。

 世界、アジアにおいて人権や民主主義が脅かされることがないよう、無力でも平和を求め祈り、日頃からの平和への希求の意思として武力による平和は無いこと、戦争反対の声を掲げ、平和を求める人との連帯の意思や行動を示していければと願います。

 また、ウクライナやロシアと関係の深い日本国内の人びと、YMCAでも留学生をはじめ、会員及びご家族が大きな影響を受ける可能性があります。関係の方々へのサポート等、必要な対応を行い、偏見や差別を生まないよう努めます。

日本YMCA同盟
総主事 田口 努

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