ウクライナ正教会の司祭が嘆願書 「キリル総主教を裁判に」 2022年4月22日

 ロシア正教会のトップを裁判にかけるよう求める嘆願書に、300人以上の司祭が署名した。ウクライナ正教会の聖職者たちは、東方総主教評議会に対し、モスクワのキリル総主教を国際教会裁判にかけるよう求めている。英紙「プレミア・クリスチャン・ニュース」が報じた。

 司祭たちは、まだ公式にモスクワ総主教庁に忠誠を誓っているものの、キリル総主教が「ロシア軍による正教会の物理的破壊を直接祝福し」ているとして、異端として非難している。

 嘆願書は、それが「聖職者と信者の間に大量の憤慨を引き起こした」と述べた上で、「私たちは、キリル総主教にいかなる形でも従属し続けることはできないと明言する。これは我々のキリスト教的良心の命令である」と続ける。

 アンドレイ・ピンチュク大司祭がフェイスブックに投稿した請願書は、ロシア正教会の内部法規を破ったとして、総主教の正式な解任を要求している。その内容は、「ウクライナ侵攻に関するキリル総主教座の立場は、キリスト教倫理にも、自らの規制文書にも合致しない」というもの。

 この呼びかけは、教皇フランシスコがウクライナの「イースター停戦」を呼びかけたのと同日に行われ、その後、ヨーロッパの教会指導者たちによって支持されている。ヨーロッパ教会協議会の議長は、プーチン大統領とヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に、イースター(復活祭)の戦闘停止を検討するよう懇願した。

 教会指導者たちは、4月17日からグレゴリオ暦とユリウス暦(東方教会で使用)の両方で復活祭を含む7日間の停戦を提案し、次のように述べた。「このような停戦は、両国のすべての市民にとって有益であり、紛争で戦っている、あるいは紛争の影響を受けている大切な人の命に対する心配な不安から解放されるだろう」

ウクライナ侵攻による正教会の混乱 孤立するキリル総主教 2022年4月18日

(翻訳協力=中山信之)

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