【訃報】 小坂 忠さん(シンガーソングライター) 2022年4月29日

 こさか・ちゅう ミクタムミニストリー&レコード創立者、日本フォースクエア福音教団秋津福音教会宣教牧師。4月29日、S字結腸癌から転移した全身癌による肝不全のため逝去。73歳。追悼告別式は5月7日(土)午後2時から、所沢市民文化センター ミューズ(埼玉県所沢市)マーキーホールで行われる。

 1948年東京生まれ。66年にロックグループ「ザ・フローラル」を結成し、68年にデビュー。69年、YMO結成前の細野晴臣、松本隆らと「エイプリル・フール」を結成。同バンドの解散後、71年に初のソロ・アルバム『ありがとう』を発表。ティン・パン・アレイとレコーディングを行った『ほうろう』(1975年)は、R&B(リズム&ブルース)の元祖的な作品として日本の音楽界に影響を与えた。レコーディングには細野のほか林立夫、鈴木茂、松任谷正隆、矢野顕子、吉田美奈子、山下達郎、大貫妙子、矢野誠と日本のポピュラーミュージックを作り上げた面々が参加した。

 76年にクリスチャンとなり、自身の事務所「トラミュージック」を設立後、「トラスタジオ」を併設しレコード制作、CM制作で多くのヒット作品を生み出す。78年には、ゴスペルレーベル「ミクタムレコード」を設立。ゴスペル音楽の活動を中心にセミナーやイベントを主宰し、50タイトルを超えるゴスペルアルバムを制作。

 91年には牧師に就任。Singer & Pastorとして日本のみならず十数カ国を舞台に精力的にゴスペルを歌い、語り続けた。2001年には細野晴臣と再会、25年ぶりのアルバム『People』をリリースし、その音楽性と歌の力に多方面からの注目を集めた。

 デビュー35年を記念したアルバム『き・み・は・す・ば・ら・し・い』は2004年にリリースされ、曲作りの原点であるギターの弾き語りが収められた。2021年11月、松本隆の作詞活動50周年記念ライブ「風街オデッセイ2021」に出演。

 今年3月1日には自身の公式サイトで「自宅療養」と題する記事をアップし、「只今、体力回復のため自宅療養中。大腸癌ステージ4との戦い、頑張ってま~す。そして、ウクライナのため祈ってます」と綴っていた。

 訃報を伝える同サイトには、新約聖書ヘブル人の手紙から、以下の聖句が引用されている。「これらの人々はみな、信仰の人々として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるかにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり寄留者であることを告白していたのです。~中略~しかし、事実、彼らは、さらにすぐれた故郷、すなわち天の故郷にあこがれていたのです」

小坂忠さんが娘とデュエット ワーシップアルバム発売

写真=Facebookより

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