若い牧師ほど「精神疾患と対峙」との米調査 「何らかの精神疾患に苦しんだことがある」牧師は26% 2022年8月19日

 半数以上の教会指導者が、うつ病、双極性障害、または統合失調症に苦しむ教会員と接したことがあり、牧師の多くが自身の精神疾患と闘ったことがあるという調査結果が公表された。「クリスチャニティ・トゥデイ」が報じた。

 ライフウェイ・リサーチは、米プロテスタント教会の牧師が精神疾患を患った経験や、助けを必要とする人々に対応するための教会の備えがどの程度整っているかを調査。牧師の大多数(54%)は、自身が牧会する教会で、うつ病、双極性障害、統合失調症など重度の精神疾患と診断された教会員を少なくとも1人は知っていると答えている。18%が1〜2人、18%が3〜5人。その他、6〜10人(8%)、11〜20人(5%)、20人以上(6%)となった一方、約3分の1(34%)は、教会員の中に重度の精神疾患と診断された人は「いない」と答え、12%は「知らない」と答えている。

 ライフウェイ・リサーチ代表のスコット・マコンネル氏は、「若い牧師や中年の牧師は、高齢の牧師に比べて、教会で重度の精神病の人に出会う可能性が非常に高く、健全な世代交代が起こっている」と述べる。「しかし、難しい精神疾患を持つ人の存在が教会員の間で増えているのか、それとも単に若い牧師に診断を打ち明けやすいと感じただけなのかは不明だ」

 65歳以上の牧師(46%)と大学を卒業していない牧師(52%)は、重度の精神疾患を持つ教会員を「知らない」と答える傾向が強い。また、米プロテスタント教会に仕える牧師の26%が、個人的に何らかの精神疾患に苦しんだことがあると答えており、そのうち17%は「診断された」と答え、9%は「経験したが診断されなかった」と答えている。4分の3(74%)は「精神疾患と向き合ったことがない」と答えている。

 2014年のライフウェイ・リサーチの調査と比較すると、現在の牧師のうち、自身が精神疾患に「耐えたことがある」と答える人の数は近似している(26%対23%)。しかし、2021年の調査では、より多くの牧師が精神疾患と「診断された」と答えている(17%対12%)。

 「コロナの流行期間中、多くのアメリカ人が精神衛生上の問題に直面している」とマコンネル氏は言う。「今日、より多くの牧師が専門家の助けを必要としていることは、より多くの牧師が精神疾患と診断されていることからも明らか。若い牧師は、精神的な病気に耐えたことがあると答える可能性が最も高い」。45歳以下の牧師(37%)は、何らかの形で精神疾患と「闘ったことがある」と答える傾向が最も高い。

教会の支援

 教会の人々は、説教壇から精神疾患について頻繁に聞くことはないかもしれないが、ほとんどの教会では少なくとも年に一度は牧師からこのテーマについて聞くことになるだろう。米プロテスタント教会の牧師10人中6人は、少なくとも年に1回、説教や大規模集会のメッセージで精神疾患について話すと答え、そのうち17%は年に1回程度、このテーマを取り上げている。5人に2人以上の牧師が、年に何度も話題に取り上げ、30%は年に数回、9%は月に1回程度、4%は月に数回と答えている。その他、「ほとんど話題にしない」が26%、「まったく話題にしない」が11%で、話題にする頻度はかなり低い。また、3%は「よくわからない」と答えている。

 49%が「ほとんど話題にしない」「まったく話題にしない」と答えた2014年に比べ、現在の牧師はこの話題を取り上げる傾向が高くなっている。8年前、33%が年に数回以上この問題について言及したのに対し、現在は43%だった。「多くの牧師は自身が精神疾患を経験していないものの、この必要性について積極的に教え、助ける責任を感じている」とマコンネル氏。「精神疾患についての説教は自然であり、さらに多くの牧師が自分たちの教会に精神疾患を助ける責任があると感じているが、それでも37%の牧師はほとんど、あるいはまったく説教壇からその問題を取り上げることはない」

 説教壇で話す以上に、米プロテスタント教会牧師の10人に9人(89%)は、「地域の教会には精神疾患を持つ人とその家族に資源とサポートを提供する責任がある」と述べている。そう思わない牧師はほとんどいない(10%)。

 教会で行っている精神疾患の患者やその家族へのケアについて尋ねると、5人に4人以上の牧師が「何かをしている」と答えている。ほぼ10人に7人(68%)が、自分の教会では紹介する専門家のリストを作成していると答えており、5人に2人(40%)が、精神疾患を持つ人の家族を支援するための計画を持っている。

 約4分の1が、精神疾患を持つ人々を励ますためのトレーニング(26%)、「セレブレイト・リカバリー」のようなプログラム(26%)、うつや不安に関するトピックセミナー(23%)を提供していると回答。5人に1人近くは、精神疾患の症状を特定するための研修を指導者に提供している(20%)。精神疾患を持つ人々を支援するグループを地域で主催している(20%)、精神疾患に詳しいカウンセラーをスタッフとして抱えている(18%)、さらに7%は別のリソースを提供していると回答している。

 「この調査の数年(2014~2021年)の間に、精神疾患を持つ人々の家族を支援するための計画を立てる教会が増えた。さらに、精神疾患の症状を特定するためのトレーニングを指導者に提供したり、全米精神疾患同盟のような団体を受け入れたりしている教会が増えている」とマコンネル氏は述べている。「教会が精神疾患を持つ人をケアする最も一般的で簡単な方法は、人々を紹介する精神衛生の専門家のリストを持つことだ。しかし、ほぼ3分の1の教会は、そのようなリストを持っていない」

 18~44歳の若い牧師(9%)は、潜在的なリソースを何も提供していないとする回答が最少だった。一方、出席者50人未満の教会の牧師(24%)は、そのように答える可能性が最も高い。

 10人に9人の牧師(86%)が、医療専門家に紹介する必要があるような精神疾患を抱えている人を特定する準備ができていると答え、34%が「強くそう思う」と回答している。しかし、「そう思わない」という人は少なく(12%)、「よくわからない」という人も1%いた。

 備えができていると感じている牧師の割合は、81%が「特定と紹介を行う能力がある」と答えた2014年からわずかに増加している。

*アーロン・アールズはライフウェイ・クリスチャン・リソースのライター。調査は2021年9月、プロテスタント教会の牧師1000人の層。無作為サンプルを対象として実施された。このサンプルは、サンプリング誤差がプラスマイナス3.2%を超えないことを95%の信頼性で保証する。

(翻訳協力=中山信之)

Monika RobakによるPixabayからの画像

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