日本カトリック映画賞に松本准平監督『桜色の風が咲く』 2023年4月21日

 シグニスジャパン(カトリックメディア協議会、土屋至会長)は4月9日、2022年度の「日本カトリック映画賞」を、松本准平監督の『桜色の風が咲く』に決定したと発表した。また、第2回シグニス平和賞には、医師・中村哲さんの現地活動35年の軌跡を追ったドキュメンタリー『劇場版 荒野に希望の灯をともす』(谷津賢二監督)が選ばれた。

 「日本カトリック映画賞」は、前々年の12月から次の年の11月までに日本国内で制作・公開された映画の中からカトリックの精神に合致する普遍的なテーマを描いた優秀な映画の監督に毎年贈られる。昨年は、和島香太郎監督の『梅切らぬバカ」が受賞した。一方、シグニス平和賞は、平和へのメッセージとなりうる作品を選んで贈られるもので、今回は『石川文洋を旅する』(2014年、大宮浩一監督)に続いて2回目となる。

 映画『桜色の風が咲く』は、世界で初めて盲ろう者の大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんと、母・令子さんの実話をもとに「生きる希望」を描き出す人間ドラマ。小雪が母・令子役で12年ぶり映画主演を務め、気鋭の若手俳優・田中偉登が青年期の智を演じた。

 松本准平監督は、長崎県西彼杵郡生まれ。カトリックの家庭に育ち、自身もカトリック教会で受洗。これまで愛、家族、罪、生などをテーマに、『最後の命』(2014年)や『パーフェクト・レボリューション』(2017年)などを世に送り出してきた。前作に引き続き今作でも、障害というテーマに取り組んだ松本監督。映画制作を通じて、障害というものは、いわゆる「社会が分類する『障害者』に特有の何かではない」と考えたとのコメントを公式サイトで語っている。

 シグニスジャパン顧問司祭の晴佐久昌英氏は、同作について「絶望の世紀を生きる多くの人の心に直接触れてくることだろう。『映画は人を救えるか』という監督自身の祈りにも似た問いに、日本カトリック映画賞をもって答えたい」としている。

 授賞式および上映会の予定は、後日シグニスジャパンのサイトで告知される。

 

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