【雑誌紹介】 『説教黙想』 第99号

「死ぬなら一緒でええぞ」

 連載『牧会者のポートレート 島村亀鶴』。《「牧会力」の核心は、何といっても説教にある。本稿は、島村亀鶴先生(1900~1993)の「説教」を通し、今も信仰の核心を学びつつある一信徒による「ポートレート」である》と筆者の早稲田大学名誉教授・木村利人。富士見町教会の友人でカリエスのため歩行困難であった大森健悦の話を紹介する。

 《戦時中に、島村先生が曳いて下さったリヤカーに乗せられて、明治神宮外苑を通行中に空襲となった。爆弾が落ちてくるという危険の中で「私に構わず避難して下さい」という私を制して「死ぬなら一緒でええぞ、建ちゃんをひとりで死なすわけにはいかんのじゃ」と島村先生は叫んだ》ということだった。

 この話を木村は《私の早稲田大学でのバイオエシックス特別講義に大森さんをお招きして「キリスト教と日本の障害者福祉」について語って頂いた時に、直接大森さんから伺ったので深く印象に残っている。空襲や戦後の生活上の文字通りの艱難辛苦の中から島村先生の、私たち教会員一人ひとりの心に直接に訴える説教が生まれてきたのだ》と。

【本体1,762円+税】
【日本キリスト教団出版局】

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