【雑誌紹介】 『福音宣教』 1月号

ルターの苦悩にバッハが共感

 連載『行け、音よ翼に乗って』の第1回。指揮者の三澤洋史が《ルターのコラールを使用したバッハのカンタータはどれも傑作揃い。同時に独特の緊張感を孕んでいるのが特徴だ。その原因は歌詞から来ている》と。

 《もとは誰よりも熱心なカトリック司祭であったルターの宗教改革は、それを後押しする時代の波も手伝って波及していったが、彼に対するさまざまな非難は生涯にわたって続いていく。……裏切り者のレッテルを貼られもした。かつての同胞が敵に回る。そんな思いを何度味わったことだろうか。そのたびに彼は自分の生き方の是非を自問自答していたに違いない。その苦悩がコラールに滲み出ている》。

 《そこに熱い共感を持ってアプローチしていったのがバッハである。バッハは彫りの深い音楽表現で、ルターの八方ふさがり的苦悩から、すがるようなイエスへの思慕を通って、神への絶対的信頼にまで至る精神的道程を描き出してみせる。さらに、苦悩の真っ只中に究極的な癒しとやすらぎの音楽を響かせる。一見否定的な歌詞が、逆に信仰に悩める者を慰め力づける。バッハはルターの想いをいっそう高め、進化させた》。

 《音楽はそれだけで霊的なものであるが、音楽と信仰とが一体となった時の力を私は信じる》と。

 特集『世に生まれる――創造から』。フランシスコ会司祭・小西広志が、回勅『ラウダート・シ』を読む新たな視点を提示する。

【本体500円+税】
【オリエンス宗教研究所】

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