【雑誌紹介】 子どもたちが飛び立つとき 『カトリック生活』4月号

 比較文化史家・バロック音楽奏者の竹下節子が連載『カトリック・サプリ』で、宗教教育の本当の意味について《「政教分離」が標準である「先進民主主義国」では、宗教に関する法律の基本は「信教の自由」だけれど、スイスの民法には、「子どもの宗教教育の責任は親にある」と明記されている。スイス連邦の憲法にも親は子どもに自分の伝えたい宗教教育を選択することができるとある》と紹介する。
 
 《子どもが「信教の自由」を得るのは十六歳からで、それ以降は子どもが宗教を変えても、離脱しても親は干渉できない。父親と母親の間で宗教教育について意見が分かれれば判事か後見人が判断する。
 両親には、宗教問題の専門家の意見を聞いて話し合うことが勧められる。宗教教育の過程で子どもの発達が阻害されるリスクのある場合や両親に解決能力がないと見なされると調停人が立てられる。
  「子どもの発達」に配慮して宗教教育の調停人まで立てるとは驚くが、カルトヘの防護壁にはなるかもしれない》として《子どもにできるだけ広い視野を与えることで判断の材料と選択肢と自由を用意するのは親の義務であり、社会の義務でもある。その中には理性で割り切れる知識だけではなく社会生活でのマナーや、スポーツやアートやレジャーの体験も含まれるだろう。
 宗教儀礼の体験もその一つだし、子どもにとっての最高権威である親や大人たちが、自分たちを超越した「善」や「正義」を宗教に投影していることを知ることは子どもの内的世界を劇的に変え得る。
 真に「完全」なものは、親や共同体に属するものではないし、時代や気分やこの世での体験の多寡に左右されることない場所にある。
  大人たちが言葉で紡いできた理念や理想の彼方にそれがあるのだとわかれば、子どもたちがいつかその言葉を検証したり批判したりする自由の行使も意味も変わってくるだろう》と。

【本体200円+税】
【ドン・ボスコ社】

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