【書評】 『宗教社会学を学ぶ人のために』 井上順孝 編

 宗教社会学を学ぶためのテキストとして編集された本書。現代宗教は複雑多様だからこそ、基本的な「ものの見方」を身につけることが大事だと編者の井上氏は言う。「宗教問題を過度に単純化して論じたり、逆に複雑すぎてわからないとして理解する態度そのものを放棄する」ということにならないために、これまでの研究者が築き上げた理論や視点を学ぶ必要があるのだ。
 本書はそうした趣旨のもと、ウェーバー、デュルケム、ジンメルなどの古典的学説に始まり、人類学や心理学、近年の認知科学や脳科学などの研究にも言及。また、新宗教の特徴など、近現代の日本の宗教状況に留まらず、現代世界の宗教問題にも目を向ける。
 第8章「宗教情報リテラシー」では、インターネットの情報を適切に利用するための術がまとめられており、付録の資料と合わせて参考にしたい。

【本体2200円+税】
【世界思想社】9784790716822

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