【雑誌紹介】 『信徒の友』5月号

 特集・聖霊による信仰の恵み。
 目次に≪主が私たちに送ってくださった聖霊に促される豊かな信仰生活を送りましょう≫とある。編集者の願いがわかる。イムマヌエル綜合伝道団高津キリスト教会牧師・藤本満の『聖霊とはどんな方か』、信徒座談会『聖霊によって導かれる生活とは』と読んでゆくと、聖霊理解の多様さに驚かされる。

  『対話の作法――世俗社会に生きるクリスチャンへ』で同志社大学神学部教授の小原克博が≪現代社会における「対話の作法」を道具として考えたとき、真っ先に思い浮かぶのはスマートフォン(以下、スマホ)に代表されるIT機器ではないだろうか。……数年前まではスマホを使うのは若者の専売特許であった。しかし、今、電車の中や街角では、子どもから年配の人まで、実に多くの人がスマホ」を片手に、忙しく指先を動かしている。……それだけに、「対話の作法」を考えるとき、ネット世界の影響力をしっかりと視野に入れておく必要があるだろう≫と。そして≪人類はさまざまな道具を手にしてきたが、より新しい道具ほど、一般的にその効果は良くも悪しくも甚大である。スマホは広大なネット世界に「いつでも、どこでも」つないでくれる夢の道具だ。その使用が人間の精神に及ぼす影響はやはり甚大であり、その点こそが、他の道具との最大の違いである。≫と。そして≪それゆえにスマホに象徴されるネット世界は、人間の精神世界のあり方に関わってきた宗教や信仰とも接点を見出すことができるのではないか。さらに言えば、ネット世界のただ中で、宗教や信仰が果たすべき固有の役割を再確認することができるのではないだろうか≫と。そして宗教が持つ「切る力」と「つなぐ力」に注目する。≪イエスの言葉を見ても、この両方の力を確認することができる。イエスは「ぶどうの木」を引き合いに出し、「わたしにつながっていなさい」(ヨハネ15・4)と語る一方、「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない」(マタイ10・37)と語り、既存の社会秩序から切り離す「剣」(同10・34)を投げ込む。古い共同体から新しい共同体への移行、古い「私」から新しい「私」への再生の呼び掛けがなされている≫と。

【本体586円+税】
【日本キリスト教団出版局】

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