【雑誌紹介】 「介護」にも自分の時間を確保 『サインズ オブ ザ タイムズ』6月号

 ≪もし、介護をする人が自分自身を置き去りにするまで疲弊したとしたら、介護される人に与える影響は計り知れません。……介護する側が少しでも余裕のある時間を過ごし、自分自身を思いやれることができたのなら、介護される側にもそれが伝わり、良い循環が生まれる≫と、NPO法人UPTREE代表の阿久津美栄子。

 ≪自分自身の時間が必要だと気づいたのは、介護を始めてから二年ほど経った頃でした。それは、体調があまりよくない状態が続いたからでした。……きっとメンタルから来ているのだろうと思ってはいましたが、日々の介護と子育て、それに仕事とで忙殺され、自分自身のことを思いやれるような状況ではありませんでした≫と。

 ハンドクリームを購入しようと店員に、どのクリームがいいかを尋ねると、店員が≪「試してみましょうか」と言って、私の手にオススメのハンドクリームを塗ってくれました。そしてマッサージもしてくれたのです。そのとき、私の中で何かがはじけたように思いました。忘れていた感情が呼び戻されたのです。……それは、「人に何かをしてもらう」ことの大切さでした。……私はこれまで、本当に自分自身のことを二の次にしていたんだということに気づいた瞬間でした≫と記す。

 《私はこう考えています。もし、介護する側が少しでも余裕のある時間を過ごし、自分自身を思いやれることができたのなら、介護される側にもそれが伝わり、良い環境が生まれると。私の場合、ハンドマッサージがそうでした。自分自身が受けたハンドマッサージを、介護される母親や父親に亡くなるまですることができました。また、私自身、マッサージをしてあげたいと思えたこと自体が心の余裕が生まれた瞬間でした。そして、このマッサージは最後の親子のコミュニケーションツールにもなりました》と。

【本体449円+税】
【福音社】

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