【雑誌紹介】 カトリックは「救霊」を重要視 『福音宣教』7月号

 連載『時の階段を下りながら』の第7回は『分水嶺としての一八九〇年(一)――欧化主義の影響』。

 援助修道会会員の三好千春が《当時、プロテスタント教会が「文明の宗教」として自らを示し、社会のリーダーになり得る人材を育成して日本の近代化に積極的に関与しようとしたのに比べ、カトリック教会は全般的に近代(特に、民主主義、政教分離、自由主義、無神論など近代思想)との対決姿勢を鮮明にし、汚れた社会に対して閉じられた聖なる集団として自らを位置づけていました。カトリックが重要視したのは、各人の魂が救われること、つまり死して後に天国に行く「救霊」でした。そのため、フランス人宣教師たちにとっては宗教、つまりキリスト教について考えることが「まじめ」なことで、自由民権運動のごとき政治運動にうつつを抜かすのは愚かしいことでしかありませんでした。要するに、パリ外国宣教会の宣教師たちは概して、日本の近代化に対し、宣教を有利にできる限りにおいて受け入れるものの、基本的には警戒感を抱いていたのです。また、パリ外国宣教会は信徒たちが相互に助け合う草の根的な信徒集団を育成することに力を注ぐ一方、為政者階層とは距離を置く傾向がありました。したがって、来日したカトリック教会が力点を置いたのは、近代化によって苦しむ人々に手を差し伸べることでした。それは明治前期のカトリック教会の活動の中心が、棄児救済活動だったことに象徴されています≫と。

【本体500円+税】
【オリエンス宗教研究所】

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