【書評】 『おさなごのように ――天の父に甘える七十七の祈り』 晴佐久昌英

 前書きで著者は、わたしたちと「主」を、幼子と母親の関係になぞる。幼子が母親を呼び、おしゃべりを始めるように、「天の父よ!」と呼び、自由に話をするような祈りの言葉から本書は成る。

 「疲れ果てた人」「死を恐れる人」など多くの人の立場に合致する祈りもあれば、「幼いわが子を亡くした人」「うつに苦しむ人」「ペットを亡くした人」など特定の状況の祈りも多く含まれる。また、「演奏家がステージに上がるとき」「探しものをするとき」「悪い子の祈り」など、ユニークなものも。

 さまざまな状況の祈りを読むと、わたしたちは失くしものを探すような日常から、死を迎える時までいつも主に救いを求めていることに気づかされる。

 特定の宗教を超えた、まことの親である「天の父」に親しんでもらうため、「神」や「キリスト」という言葉は一切入れなかったと語る著者。主の前ではいつも幼子のままで甘えていいと慰められる、優しさにあふれた1冊。

【本体1200円+税】
【女子パウロ会】978-4-7896-0795-7

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