【雑誌紹介】 統治の歴史と現在を批判!? 『福音と世界』8月号

 特集「国家、天皇制、キリスト教」。巻頭で編集者が《本特集では、国家や天皇制といったかたちをとる統治の歴史と現在を、さまざまに批判していく。まずは、カミ、ヒト、そしてモノによる支配が絡まり合った世界からの離脱を、大胆に望み見よう。次に、古代から男性性を支配原理としてきた国家にたいしてディアスポラやクィアの概念がもつ批判的な力を瞥見したうえで、歴史的に構造化されてきた性差別をフェミニズムから問う。また、改憲を狙う国家の戦略を確認し、それにたいする立憲主義からの処方箋を探る。最後に、天皇制を肯定的に評価する論者に聞き、論点を整理しながらその提起について考える≫と言う。

 そして≪一連の記事から浮かびあがるのは、国家や統治がどうあるべきか、ということではない。私たちがどのように生きうるのか、生きたいのかが問題なのだ。国家や天皇制など、しょせん軛にすぎないものから私たちの生を解放する鍵となること。キリスト教の使命はそこにこそあるだろう≫と。

 『天皇のてまえと憲法のかなたで――公共性から自然へとおりていくために』(白石嘉治)、『クィアなディアスポラを生きる――国民国家の終わりを見据えて』(上村静)、『天皇制とフェミニズム――「明治150年」を考える』(鈴木裕子)、『憲法をめぐる攻防のありか――改憲国民投票と「自衛隊明記」』(伊藤朝日太郎)、内田樹氏インタビュー『「天皇主義者」宣言について聞く――統治のための擬制と犠牲』など編集者の苦心が感じとられる。

【本体588円+税】
【新教出版社】

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