【書評】 『ある葬儀屋の告白』 キャレブ・ワイルド 著、鈴木晶 訳

 米ペンシルベニア州で代々葬儀屋を営んでいる、キリスト者である筆者のブログを書籍化。

 家業のせいで死に囲まれた子ども時代を過ごし、家業を継いだ後に鬱を患うも、死や葬儀業に光を見出していく著者の貴重な体験談。「がんと闘病した少女」「ダウン症の中年女性」「薬物中毒の男性」など、一つひとつ異なる死に出会うたび、信仰と対話を重ね死に潜む善きものを発見していく著者。

 現代社会が悲嘆を問題と捉え克服しようとする姿に異を唱え、「死者は永遠にわたしたちの一部。……悲嘆と共にいることは健康的」と提唱する。「死は泥みたいなものだ。……だが驚くべきことに、泥には生命に必須の成分が含まれており、撒いたタネが芽を出すのを助けてくれる」「死を直視するほど、生を受け入れられる」とも。

【本体1574円+税】
【飛鳥新社】978-4-86410-625-2

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