【書評】 『宗教の名を使った暴力的過激主義を問う』ACRPシンポジウム記録と宗教協力の草創期と展開 仏教タイムス社 編

 2016年に開催されたACRP(アジア宗教者平和会議)40周年記念シンポジウムを単行本化。

 庭野日鑛氏(ACRP会議共同会長)の「テロなどで生じた憎しみなどの心をどう乗り越えていくかは、心の問題を扱う宗教者こそが率先的に取り組むべき課題」という言葉で開会。

 寺島実郎氏(日本総合研究所会長)の発題のもと、暴力的過激主義問題について5人のパネリストがそれぞれの立場で問題解決を模索している。

 ディン・シャムスディーン氏(ACRP会議実務議長)は、「経典は平和と宗教の基盤だが、政治や経済が絡むと宗教の乱用が起こる」と指摘、「宗教者は紛争の現象を宗教面だけでなく、政治面なども考慮して理解する必要がある」と提言。スファトメット・ユニャシット氏(マヒドン大学人権平和研究所講師)は、「過激主義者らを排除するのではなく関わっていくことが必要」と述べる。

 国際的に格差と暴力が蔓延する今こそ、宗教者たちの積極的な働きの必要性を感じさせられる書。

【本体1,000円+税】
【佛教タイムス社】978-4-938333-09-6

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