【書評】 『ハンセン病家族の絆――隔離の壁に引き裂かれても』 福西征子

 6人のうち4人がハンセン病を発症、強制隔離のため離散した一家の三兄弟に、元療養所園長が聴き取りをし、まとめた本書。

 著者による既刊『ハンセン病療養所に生きた女たち』『語り継がれた偏見と差別――歴史の中のハンセン病』(共に昭和堂)に続く3部作の最終巻。

 保養園で人生の大半を送った彼らが、過酷な人生を振り返る時、昭和~平成と時代が移る中での、ハンセン病に対する偏見の変化が見えてくる。

 療養が必要な患者に園が厳しい介護任務をあてがった初期、外部の介護者が入るも強い差別意識をもつ彼らに「座敷ぶた」と呼ばれる昭和30年代、戦後生まれの介護者が入るようになり、ようやく真っ当な患者として扱われるようになるなど、介護ひとつとっても険しい歴史がある。

 らい予防法廃止により、ようやく自由を得ることができたと語る彼らも「隔離される以前の生活に戻れるわけではない」と語る。彼らの人生を風化させないことが、差別を防ぐ糸口になるだろう。

版元HP http://www.showado-kyoto.jp/book/b375830.html

【本体2,300円+税】
【昭和堂】9784812217375

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