【雑誌紹介】 「女性叙階」への関心どこまで? 『神学ダイジェスト』2019年夏号

 カトリック修道会イエズス会が運営する大学の神学雑誌の「女性の叙階」特集に注目する。巻頭言「聖公会における女性聖職」の筆者が西原廉太という日本聖公会司祭・立教大学教授。

 この驚きは、西原自身も感じているようで、《この度、『神学ダイジェスト』の巻頭言をご依頼いただき、聖公会に属する私になぜ依頼いただいたのかとの戸惑い覚えつつ、今号の特集タイトルを拝見し、さらに驚いた。なんと「女性の叙階」とある。二〇一六年八月に教皇フランシスコが、「女性の助祭職に関する教皇諮問委員会」を設置され、ローマ・カトリック教会においても女性助祭職をめぐる議論が開始されたというニュースには大いに関心を持っていたが、カトリック神学ジャーナルの主題にも「女性の叙階」が付される時代に入ったのかという衝撃でもあった》と言う。

 そして、日本聖公会における女性の司祭職の是非をめぐる論点を整理し、《以上のような論争が聖公会の中では繰り広げられてきたわけであるが、ローマ・カトリック教会においては果たしていかなる議論が可能なのであろうか。今号の『神学ダイジェスト』はそういう意味で、カトリックに属する者のみならず、広くエキュメニカルな関心を呼ぶ事は間違いない》と。

 特集のトップに、米オレゴン大学准教授(中世キリスト教)、ドミニコ会司祭のアウグスティン・トンプソンの「ビンゲンのヒルデガルトはなぜ女性の司祭叙階を否定したか」を置いたことに、編集者の苦心が感じられる。女性の社会的開放一般に賛同するなら、教会内の女性の役割をも再考するべきとの問題意識のもとに、ローマ・ラ・サピエンツァ大学教授、イエズス会司祭ジャンカルロ・パニの2017年4月著作「女性と助祭職」、米ホフストラ大学准教授で教皇庁「女性の助祭職に関する教皇諮問委員会」委員フィリス・ザガノの2017年2月の著作「女性助祭の復活――小教区の公正なあり方のために」などにも注目。

【本体583円+税】
【上智大学神学会】

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